【レビュー】リバーボート*商品をボートで運んで富を得よう!
概要
19世紀初頭のミシシッピ川流域の生活をテーマにしたボードゲーム。
大雑把に書くと、畑で作物を耕し、ボートで出荷する。出荷によりお金やEstate Feature(納屋、井戸、測量士)を得て、それらを使って点数を稼ぐ。あるいは、それら自体を得点化する。
4ラウンドでゲーム終了。慣れるとプレイ人数×20分くらいで終了する、程よい中量級ゲーム。
準備
以下が準備が完了した状態。このゲームは2~4人用だが、プレイヤーボードの港トラックに配置する黄色のHarbour Masterコマの位置以外、人数による違いはない。
右上のゲームボードには、上部にボートタイルを並べ、白い労働者コマを4つ、好機カードを4枚並べる。
左上のゲームボードには、1マス、2マス、3マスの作物タイルを並べる。また、自分の色(個人ボードの家の色)の得点マーカーを、得点トラックの0に置く。
個人ボードは写真の通り、内容が異なる。自分の色のボードを受け取ったら、プレイ人数に応じて港トラックに黄色のHarbour Masterコマを置く。
また、白い労働者コマを13個、緑の測量士コマを2つ、3コインを取る。
ゲームの流れ
ゲームは4ラウンド行い、各ラウンド、耕作→植栽→収穫・出荷→好機→得点のフェーズに分かれる。
それぞれに以下のようなフェーズタイルがあり、まずこれをスタートプレイヤーから順番に取ることから、ラウンドが始まる。5枚あるので、4人プレイならスタートプレイヤーは2枚になるし3人プレイなら2人目も3枚になる。
スタートプレイヤーはラウンドごとに回っていくが、3人プレイの場合、4ラウンド目は得点トラックの最後尾の人がスタートプレイヤーになり、フェーズタイルを最初に選択する。
各フェーズ、どのプレイヤーもやれることに変わりはないが、そのフェーズのフェーズタイルを持っているプレイヤーから始める。また、ボーナスも得られる。
このゲームでは、各フェーズにおいて、コインを支払うことでアクションを強化することができる。以下に詳しく説明する。
耕作フェーズ
誰かが耕作カードを山から順番に、計8枚引く。1枚引くごとに、耕作カードの色(わかりにくいのでハートや星などのマークで判断してもよい)のスペースに、持っている白い労働者コマを置く。
耕作フェーズのフェーズタイルを持っているプレイヤーは、最初に共通のゲームボードから1つ白い労働者コマを取り、好きな場所に配置できる。(最初にゲームボードに4つ置いたので、それでラウンド数がわかる)
コインを使うと、耕作カードの色を無視して、好きな場所に配置することができる。
2ラウンド目以降は、白い労働者コマが8個ない場合があるが、なければ置けない。
フェーズが終わると下の写真のようになる。
植栽フェーズ
植栽フェーズタイルを持っているプレイヤーから順に、ゲームボードから作物タイルを取って、白い労働者コマのあるスペースに配置する。労働者は配置した作物タイルの上に置く。
植栽フェーズタイルを持っているプレイヤーは、最初に1コインのボーナスが得られる。
また、各プレイヤー、コインを支払うと、ゲームボード上の作物タイルではなく、1マスまたは2マスの作物タイルを選択し、いずれかの山から好きなタイルを選ぶことができる。(それを選択したら、選ばなくてはならない)
2マスまたは3マスのタイルを選択すると、即時点数が入る。置ける作物タイルが無い場合、ゲームボードにすべての作物タイルを補充する。
フェーズが終わると下の写真のようになる。
収穫・出荷フェーズ
ゲームボードからボートタイルを順番に2枚まで取り、個人ボードの上側に左から順に差す。4ラウンド目は3枚まで取れる。
フェーズタイルのボーナスは、個人ボードの黄色のHarbour Masterを1つ進める。
通常、ボード上にある9枚を早い者勝ちで取得するが、コインを使ったら山からも取ることができる。
ボートタイルを取る際は、個人ボード上の、同じ作物の上に乗っている労働者を使用する。
例えば以下の例は、4つのカブの上にあった労働者を個人サプライに戻して4のボートタイルを取り、タイルに描かれた納屋を1つ獲得して個人ボードに配置した。
ボートタイルの数値は最終的には得点になる。また、大きい数値のボートタイルはEstate Feature(納屋、井戸、測量士)を獲得でき、やはり得点に直結する労働者をニューオーリンズに送ることができる。
従って、なるべく個人ボード上には同じ作物を置き、労働者が揃うまでそのままにしておきたい。ただ、労働者を個人サプライに戻さないと、次のラウンドの耕作フェーズで、個人ボード上に労働者を配置できなくなる。
※ニューオーリンズは、ゲームボードの好機カードを置いた場所の上にあり、プレイヤー色ごとに4つのスペースがある。
好機フェーズ
フェーズタイルを持っているプレイヤーから順に、ゲームボード上の好機カードを1枚獲得する。獲得した際、ボード上に描かれたマスのボーナスも得られる。(左から、Harbour Masterを2マス進める、緑の測量士を1つもらう、労働者を1人ニューオーリンズへ送る、1コインもらう)
フェーズタイルのボーナスは1勝利点。
コインを使うと、山から好きなカードを選んで取れる。これも作物タイル同様、それを選んだら必ず山から取らなくてはならない。(取得したカードは公開情報の上、説明書にカードのリストがあるので、山に何があるかはわかる)
好機カードは、多くのゲームで見られるような、最後まで持っていて条件に応じて点数が入るものではなく、次の得点フェーズで測量士を使うことで得点化できる。
選ばれなかった好機カードは、山の一番下に戻す。
得点フェーズ
納屋、井戸、好機カードの上に測量士を置いて、得点を得る。1~3ラウンド目は2人、4ラウンド目は3人まで測量士を配置することができる。
フェーズタイルのボーナスは1コイン、またはHarbour Masterを1マス、または労働者を1人ニューオーリンズに送る。コインを使ったボーナスは無い。
例えば以下の場合、収穫した小麦ごとに1点なので、3点手に入る。(説明のために置いているが、実際には10点以上は目指したい)
測量士による得点が終わった後、すでに置いてある測量士ごとに1点、ニューオーリンズに送った労働者ごとに1点、得点トラックを進める。
ラウンド終了後(正確には次のラウンドの準備として)、作物タイルの補充、ボートタイルの補充、好機カードの補充を行う。
最終得点
4ラウンド終わった後、以下の点数を加算する。
・残ったコインごとに1点
・個人ボードのすべて埋められた農地の色ごとに7点
・未使用のEstate Feature(納屋、井戸、測量士)ごとに2点
・港の得点(Harbour Masterが最も進んでいるプレイヤーは、その場所までのボートタイルの点数をすべて、それ以外のプレイヤーは、Harbour Masterの場所までのボートタイルの点数を半分)
・ニューオーリンズに送った労働者(1番多い人は20点、2番目に多い人は10点、3番目に多い人は5点)
一番点数の多い人が勝利。
感想
久しぶりに、自分の好みど真ん中のゲームに出会いました。とてつもなく面白いです。
先に書いた通り、収穫・出荷フェーズではなるべく労働者を残したいですが、手元に戻さないと耕作フェーズで置けません。また、なるべくニューオーリンズに送りたいですが、これも同様に、それに労働者を使ってしまうと、耕作フェーズで遅れを取ります。
手番順も大事になります。最初に書いた通り、プレイ人数によってゲーム内容に変化がないため、2人プレイと4人プレイでは、プレイ感がまったく違います。4人プレイの場合、ボートタイルも作物タイルも取り合いになります。よって、フェーズタイルを取ってそのフェーズを最初に行うのがとても大事になります。
測量士がないと好機カードも納屋も井戸も得点化できません。測量士を手に入れるには、主に数字の大きいボートタイルを取ることですが、Harbour Masterを進めるのは主に数字の小さいボートタイルです。Harbour Masterを進めていないと、大きい数字のボートタイルを取っても得点化されないのがまた悩ましいです。
シンプルなルールの中に、たくさんのジレンマやインタラクションがあります。伸び伸びとプレイしたければ、3人くらいがオススメです。
是非一度プレイしてみてください!
※納屋や井戸の得点方法、収穫ボーナスなど、ゲームの流れに影響しない部分はいくつか説明を割愛しています。