【レビュー】オルレアン*随行者を集めて都市を発展させよう!
概要
アクションにより随行者タイルを集めて袋に入れ、袋から取り出した随行者タイルでまたアクションを打つ。
随行者タイルを集める傍らで、商人が町を巡って商品を集め、同時に交易所を建てる。
あるいは集めた随行者タイルで公益事業を行い、コインや市民タイルを得る。
大学や写字室のアクションで発展トラックを伸ばし、最終的にはコインや商品、そして交易所と市民タイル、発展トラックに応じた勝利点により、勝敗を競う。
コンポーネントと準備
各プレイヤーの準備
各プレイヤー、5コインと、自分の色のプレイヤーボード、マーカー7個、商人コマ、交易所コマ、初期随行者タイル4枚を受け取る。
初期随行者コマは、自分のプレイヤーボードの「市場」(下部の8マス)に置く。
コインと交易所コマは手元に残し、マーカーはゲームボード上の各随行者トラック(左側)と発展トラック(下部)に、商人コマは右側マップの「オルレアン」に置く。
砂時計タイル
砂時計タイルは18枚あり、裏面にA、B、Cが書かれている。
文字ごとに裏向きに山にして、上からA、B、Cになるように積む。1枚だけ色の薄いタイルがあるので、それを一番上に置く。
オルレアンは18ラウンドに渡って行われ、砂時計タイルは毎ラウンドフェイズ1で1枚めくられ、フェイズ6でその内容を解決する。
例えば上の写真の例では、「収入」は発展レベルに応じてコインを獲得する。「収穫」は食料かコインを支払う。
中立随行者タイルと技術タイル
7種類の随行者タイルと、歯車の形の技術タイルを、ゲームボードのそれぞれ対応する場所に置く。
随行者タイルはプレイ人数によって使用する枚数が異なる。
ちなみに、白が農夫、青が船長、茶色が職人、黒が交易商、灰色が学者、赤が騎士、黄色が修道士。
基本的にこのゲームは、アクションによって随行者タイルを得て、それを自分の袋に入れる。
袋から随行者タイルを取り出して、自分のゲームボードの「市場」に並べる。
「市場」から随行者タイルをゲームボードのアクションに置いて、アクションを実行する。
修道士は任意の随行者タイルとして使うことができる。
技術タイルは、アクションのマスを塞ぐことができる。(該当する随行者タイルが必要なくなる)
マップと商品タイル
商品タイルをランダムに、マップ上の陸路と水路に置く。
プレイ人数によって置かないスペースもある。残った商品タイルは、山にしてゲームボードの左側の、対応するスペースに置く。(商品タイルもプレイ人数によって使用枚数が異なる)
ゲーム中、プレイヤーはアクションによってマップ上で商人コマを移動させる。
その時、水路や陸路に商品タイルが残っていたら、それらの内1枚獲得する。
また、現在いる町に交易所を建てることができる。(最終得点で得点になる)
市民タイル
市民タイル14個を、ゲームボードと公益事業ボード上の市民アイコンのあるスペースに置く。
船長トラック、職人トラック、発展トラックの市民タイルは、最初にそのスペースに到達したプレイヤーが獲得できる。
マップ上の市民タイルは、ゲーム終了時に、最も多く交易所を置いているプレイヤーが獲得できる。
公益事業ボード上の市民タイルは、それぞれの事業を完成させた(最後の随行者タイルを置いた)プレイヤーが獲得できる。
市民タイルは交易所同様、最後に得点になる。((交易所+市民タイル)×発展トラック)
場所タイル
場所タイルは裏面が「I」のものと「II」のものがあり、個別の山にする。
場所タイルは、交易商アクションを行った時に、ボーナスとして獲得できる。
場所タイルの山は、いつでも確認することができ、好きなタイルを選んで獲得できる。
獲得した場所タイルは自分のプレイヤーボードの横に置かれ、自分だけが使えるアクションになる。
ゲームの進行
オルレアンは18ラウンドにわたってプレイし、18ラウンドが終わったら最終得点計算を行って、最も勝利点の多いプレイヤーが勝利する。
各ラウンド、以下の7つのフェイズに分かれる。
フェイズ1:砂時計
ゲームボード上の砂時計タイルを1枚、表向きにして置く。
この内容がこのラウンドに影響を与え、フェイズ6で解決される。(1枚目の「聖地巡礼」は例外)
フェイズ2:人口調査
農夫トラックが単独で一番進んでいるプレイヤーが1コイン獲得し、単独で最下位のプレイヤーが1コイン支払う。
2人プレイの場合は、先に進んでいるプレイヤーはコインを獲得するが、後ろのプレイヤーは支払わなくてよい。
フェイズ3:随行者
騎士トラック上で示されている枚数だけ、袋の中から随行者タイルを引くことができる。
引いたタイルは自分のプレイヤーボードの「市場」に置く。「市場」がいっぱいで置けない場合は、随行者タイルを引くことができない。
なお、引ける枚数を引かないことで、その枚数だけ、すでにアクションスペースに置いてある随行者タイルを、「市場」に戻すことができる。
フェイズ4:計画
「市場」にある随行者タイルを、アクションスペースに移動する。もしアクションスペースが随行者タイルで埋まると、次のフェイズでそのアクションを実行することができる。
1ラウンドですべてのアクションスペースを埋める必要はない。
また、「市場」にあるすべての随行者タイルを置く必要もない。
上の写真の写実室のように、黄色の修道士タイルは、他の随行者タイルとして代用できる。(アクションスペースに限った話であり、公益事業ボード上では、その色の随行者タイルしか置くことができない)
フェイズ5:アクション
スタートプレイヤーから順に、アクションを行うかパスをする。一度パスをしたら、そのラウンドはもうアクションを行えない。(※実際のプレイで間違えたポイント。手番プレイヤーがまず全アクション行ってしまった)
アクションを終えたら、そのアクションスペースの随行者タイルはすべて袋に戻す。(技術タイルはそのまま残る)
フェイズ6:イベント
スタートプレイヤーから順に、砂時計タイルのイベントを解決する。
砂時計タイルの項で説明した通り、イベントには得られるイベントと失うイベントがある。
フェイズ7:スタートプレイヤー
スタートプレイヤートークンを左隣のプレイヤーに渡し、次のラウンドを始める。
18ラウンド目の場合は、最終得点計算を行う。
最終得点計算
まず、マップ上に最も多く交易所を建てているプレイヤーが、マップ上に置いた市民タイルを獲得する。
その後、持っている商品やコインを種類に応じて得点化した後、(交易所+市民タイル)×発展トラックの得点を加算する。
最も勝利点の多いプレイヤーが勝利する。同点の場合は発展トラックがより進んでいるプレイヤーが勝利する。
アクション
フェイズ4ですべてのアクションスペースに随行者タイルが置かれると、そのアクションをフェイズ5で実行することができる。
農家、村、大学、城
それぞれ対応する随行者タイルを1枚獲得して袋に入れる。
また、キューブを進めて、上部に書かれたボーナス、もしくは市民タイルを得る。
ボーナスは以下の通り。
農夫:商品の獲得。また、フェイズ2の人口調査で使う。
船長:コインの獲得。
商人:技術タイルの獲得。技術タイルはアクションスペースを塞ぐことができる。
交易商:場所タイルの獲得。
学者:発展トラックを進める。
騎士:フェイズ3で引ける随行者タイルの枚数が増える。
なお、随行者トラックの最後まで行ったら、もうそのアクションは実行できない。
また、獲得できる随行者タイルがない場合も、そのアクションを実行できない。
修道院
黄色の修道院タイルを取って、袋に入れる。
修道院タイルは任意の随行者タイルとして使用できる。(ただし、公益事業では代用できない)
船、馬車、ギルドホール
マップ上で、船は水路を、馬車は陸路を通って、商人を移動させる。途中に商品タイルがあれば、1枚だけ獲得できる。
また、ギルドホールは自分のいる町に交易所を建てる。
すでに他の交易所が置かれていたら建てることができない。(オルレアンだけは各プレイヤーが1つずつ建てることができる)
写字室
発展トラックを進める。
市役所
スペースは2つあるが、1つでもアクションを実行できる。
置いてある随行者タイルを公益事業ボードの空きスペースに移動し、対応するコインを得る。
もしその公益事業を完了させられたら、市民タイルを獲得できる。
なお、プレイヤーが最初から持っている初期随行者タイルは、「市役所」に置くことはできない。
その他のルール
技術タイルについて
技術タイルは、最初は農夫のアイコンのアクションスペースに置かなくてはならない。
修道士のアイコンのアクションスペースには置くことができない。
また、1枚でアクションを実行できる場所に置くこともできない。
各場所には、技術タイルを1枚までしか置くことができない。
破産について
人口調査や砂時計タイルにおいてコインが支払えない場合、1コインごとに以下のもので代用する。
・交易所(手元のものでも、配置済みのものでも可)
・随行者タイル(袋からランダムに引く。初期随行者タイルは不可)
・発展トラックを戻す(コインのあるスペースには戻れない)
・商品タイル1枚
・場所タイル1枚
・技術タイル1枚
発展トラック以外は、ゲームから除外される。
全般的なルール
袋の中にある随行者タイルはいつでも確認できる。
初期随行者タイルは、公益事業、砂時計タイルの疫病、破産で使うことができず、常にプレイヤーとともにある。
感想
ずっと日本語版はプレミア価格の商品になっていたが、最近再販されたので、拡張と一緒にゲット。
前評判を見て、最初から「交易と陰謀」の「新たな公益事業」に置き換えて、4人でプレイした。
公益事業に関しては、置き換えて正解だと思う。元のボードはお金が入るだけの味気の無いボードで、あまり戦略性もなかったが、新たな公益事業では取り合いになったし、ここに積極的に置くことで、随行者タイルのマネジメントがより難しくなった。
プレイ時間は思ったより長かったかな。序盤は早いとはいえ18ラウンド。4人でやると2時間はゆうに超える。3時間近くやっていたかもしれない。
それから、商人は大事だなと。得点がバラバラの商品タイルがランダムなので、いきなり得点の高い商品がオルレアンの近くに置かれることもある。
なお、4人プレイだと交易所を建てるのも、かなりインタラクションが強かった。
随行者タイルのマネジメントはとても難しい。個人的には、袋の引き運が強く感じたが、修道士は取らなかったし、城も他のプレイヤーより伸びていなかったし、場所タイムも取らないプレイングをしてしまったから、そうなっただけかも。
どうしても運の部分はあるが、それをいかに低くするか。あるいは、打てるアクションの幅を広くするかというゲーム。
イベントの疫病は運だなぁ。この辺りは一昔前のゲームという感じはある。自分の組み立ててきたものか、袋から引く運で崩れるのは、あまり面白いことではない。
その辺りも含めて、やや運要素の強い中重量級ゲームという印象だった。