【レビュー】赤の大聖堂*みんなで造った大聖堂、一番貢献したのは誰?
概要
1つの大聖堂を、全プレイヤーで造り上げるゲーム。大聖堂は複数の塔で構成され、それぞれの塔は土台1つ、複数の中央部分、天井1つで構成される。
各プレイヤー、自分の担当するパートを選び、必要な資材を集めて担当パートを完成させる。誰かが6つのパートを完成させたら、他のプレイヤーはもう1手番ずつ行ってゲーム終了。
塔ごとに貢献度に応じて得点を計算し、最も多くの名声ポイントを獲得した人が勝利する。
得点について
このゲームには、功績ポイントと名声ポイントの2種類の得点が登場する。
功績ポイントは得点トラックの外側に細かく刻まれている。名声ポイントは、例えば5功績ポイントが1名声ポイント、9功績ポイントが2名声ポイントといったように、80の功績ポイントに対して、40名声ポイントが振られている。
ゲームは最終的に名声ポイントの多い人が勝利する。(同じトラックで管理しているので、名声ポイントが多いということは、功績ポイントも多くなる)
ゲームの準備
各プレイヤー、自分の色を選択したら、自分の色に対応する作業場ボードを取り、旗コマと装飾品を並べる。旗コマは6つあるが、その内の4つをボード上の棚エリアに、2つは棚の外側に置く。
お金は、スタートプレイヤーは3ルーブル、次のプレイヤーは4ルーブル、次のプレイヤーは5ルーブル、次のプレイヤーは6ルーブル受け取る。また、市場ボードに得点マーカーを置く。
市場ボードには資源タイルをランダムに8枚すべて並べ、十字架の資源から順番に、5つのダイスを1つずつ並べる。
また、影響力カードをグループごとにランダムに選んで、市場ボード上の4つのスペースに配置する。
建物のプランカードで今回建築する大聖堂を決定し、それに従って大聖堂カードを並べる。並べた大聖堂カードの上に、作業場タイルを1枚ずつ配置する。
まず表向きに並べて……。
カードを表にして、作業場タイルを並べる。
ルール
スタートプレイヤーから順番に手番を行う。手番では、以下の3つから1つを行う。
a.大聖堂の1つのパートを確保する
b.確保したパートを建築する
c.市場から資源を獲得する
これらの他に、手番中に何度でも、1名声ポイントを2ルーブルに変換できる。また、手番中に一度だけ、1名声ポイントでボード上の1つのダイスを振り直すことができる。
a.大聖堂の1つのパートを確保する
個人ボードの旗コマを取り、建築したい大聖堂のパートの上に置く。この時、すでに土台、もしくはそれより下のパートを誰かが担当している必要がある。
確保したパートの上の作業場タイルを自分のボードに置く。コストを払って表向きに置くか、コストを払わずに裏向きで置くか選択できるが、裏向きに置くと効果を利用できなくなる。
表向きに置いた場合、速やかにその効果を得られる。
下の写真は、木材の作業場タイルを取って、2ルーブル支払って赤色のダイスの枠の上に表向きに配置した。その後、即座に木材を手に入れている。
b.確保したパートを建築する
確保したパートに、個人ボードから資材を3つまで移動する。完成するために4つ以上の資材を必要とするパートもあり、一度に完成させる必要はない。
完成したらルーブルと功績ポイントを得た後、表向きにして、旗コマは残しておく。これにより、そのパートを誰が完成させたかわかるようになる。
もし完成したパートより下のパートが完成していなかった場合、それらのパートの担当者はペナルティーとして功績ポイントを失う。
完成した大聖堂には、飾りつけを行うことができる。これは自分が完成させたパートでなくてもよい。
土台、中央部分、天井それぞれに、対応する装飾品と必要資材、それに宝石を組み合わせることで、名声ポイントを得ることができる。紫の宝石と緑の宝石のいずれか1つの場合、1名声ポイント、両方の宝石を移動できると3名声ポイント得られる。
c.市場から資源を獲得する
市場ボードのダイスを選び、その目の数だけ先に進める。選んだダイスが白もしくは自分の色の場合、1ルーブル支払うことで、追加で先へ進めることができる。
ダイスの移動をした後、次の3つを、それぞれ1度だけ、好きな順番で処理できる。
①資源の獲得:スペースに書かれた資源を、ダイスの数だけ得ることができる。
②影響力の利用:市場ボードに配置された影響力カードを利用できる。雷アイコンは一度だけ、∞アイコンは何度でも利用できる。
③作業タイルの有効化:作業場ボード上の、移動させたダイスと同じ色のスペースに作業場タイルがある場合、その効果を利用できる。
最後に、移動した先にあるすべてのダイスを振り直して、スペースに戻す。
下の写真で、緑プレイヤーが赤のダイスを選んで、2マス進め……。
紫の宝石2つと、赤のダイスを使ったので木材を1つ手に入れる。必要に応じて影響力カードを使った後、最後に青と赤のダイスを振り直す。
ゲームの終了と得点計算
誰かが6つ目のパートを完成させると、その人が3名声ポイントを得て、他のプレイヤーは1手番ずつプレイして終了する。
最終得点計算は名声ポイントのため、一番近い手前の名声ポイントまで得点マーカーを戻し、資材とルーブル5つごとに1名声ポイントを加える。
最後に完成している塔ごとに、貢献度に応じて得点を計算し、加算する。
塔の得点の計算方法
次の塔を例に説明する。
点数は、完成したパート2点×4ヶ所+装飾1点×3個=11点である。(上から2つ目のパートは未完成なので計算から除外)
貢献度1位の人は11点。
貢献度2位の人は端数切り捨ての半分、5点。
貢献度3位の人はさらに端数切り捨ての半分、2点。
貢献度は、青が3つ、赤が2つ、黄色が2つである。(旗コマと装飾品の数。上から2つ目のパートは未完成なので貢献度から除外)
従って、単独1位の青は11点。
赤と黄色は同点2位なので、5点と2点を足して、7点を端数切り捨てで分け合う。つまり、3点ずつ。
感想
購入後すぐにレギュラーゲームに。2021年上期は20万円近くゲームを購入したが、その中でも特に当たりの1作。
ダイスは使うが運要素の類ではなく、戦略性のウエイトが高い。
6つのパートを完成させるのは、大体全員同じようなタイミングになるが、点差は開く。序盤は名声ポイントの幅が広いので、名声ポイントの単位で得点するのを意識することが大事になる。逆に終盤は、功績ポイントの価値が高くなる。
あまり相手を邪魔する要素はないので、その点はぬるく感じる人もいるかもしれないが、最後の塔の貢献度の計算は、他のプレイヤーの行動の影響がとても大きい。そのため、ソロプレイ感は弱い。
最後の得点計算が少々わかりにくいのと、ルールブックに内容物一覧がないので何が何なのかわかりにくいのが残念だが、わかってしまえばとても楽しめるゲームです!
涼夏と千紗都と『赤の大聖堂』
2人プレイでのプレイ記があります!