【レビュー】ロレンツォ・イル・マニーフィコ*街とともに一族の繁栄を!

2022年6月22日

ロレンツォ・イル・マニーフィコ

概要

プレイヤーは貴族の長となり、建物を建てたり、人物を招いたり、事業を行ったりして名声を集めるワーカープレイスメント。

ワーカーとなる一族コマは一人4つで、ゲーム中に増減はしない。6ラウンド、計24アクションでゲームは終了する。

ゲーム中、偶数ラウンドごとに教会への信仰を示す必要がある。これが必要なポイントに足りないと破門され、次のラウンドから様々なマイナス効果を永続的に受けることになる。

各ラウンドの最初に、スタートプレイヤーが3つのダイスを振る。これにより、各プレイヤーが持つ4つのワーカーの内の3つの強さが決定する。

ダイス運はあるが、全員が同じ条件になるため、プレイヤーごとの有利・不利はない。時に「1」が3つ出て、強いアクションを打てないこともあるが、与えられた状況下で最善を尽くそう。

アクションスペースについて

プレイヤーがワーカーを置くスペースは、主にボード上部の4つの塔と、ボード下部の市場や生産エリアに分かれる。

塔(領土、人物、建物、事業)

ボード上部には、緑の塔青の塔黄色の塔紫の塔が描かれ、それぞれ発展カードを4枚置くスペースがある。

毎ラウンドここに、緑の塔には領土のカード、青の塔には人物のカード、黄色の塔には建物のカード、紫の塔には事業のカードを、ランダムに4枚ずつ並べる。そのラウンド中に取られなかったカードは、ラウンド終了時に取り除かれる。

発展カードは「I」、「II」、「III」がそれぞれ8枚ずつあり、順番に山にすることで、第1ラウンド、第2ラウンドでは「I」のカード、第3ラウンド、第4ラウンドでは「II」のカード、第5ラウンド、第6ラウンドでは「III」のカードが使われるようになっている。

スペースには下から「1」、「3」、「5」、「7」のダイス目が描かれている。これは、これ以上のアクション値を持つワーカーしか置くことができない。「5」、「7」のスペースに置くと、即座に描かれているボーナスを獲得できる。このボーナスは、カードの獲得に必要なコストに充てることができる。

アクションにより獲得したカードは、個人ボードに配置する。

個人ボードには、各カード6枚まで配置することができる。

領土のカード(緑のカード)は獲得するのにコストを必要としないが、3枚目以降、配置する際にボードに記載された以上の軍事点が必要になる。

領土のカード、人物のカードは枚数に応じて最終的に勝利点となり、事業のカードはカードごとに勝利点を持っている。

建物のカードはカード獲得時に勝利点を持っていたり、交換の効果により勝利点が得られる。

評議会の宮殿・市場・収穫/生産エリア

赤枠の部分は評議会の宮殿で、「1」以上のアクション値を持つワーカーをいくつでも置くことができる。

置いた順に、次のラウンドのプレイ順が変わる。

緑枠の部分は市場で、「1」以上のアクション値を持つワーカーを置くことができる。

プレイ人数によって、一部のアクションをゲーム開始時に封鎖する。

青枠の部分は、下が収穫エリア、上が生産エリアになっており、効果は個人ボードと連動している。

例えば、個人ボードが以下の場合、

収穫アクションを打つと、木材1つ、石材1つ、使用人1つの他に、アクション値が「1」以上なら1コイン、「4」以上なら石材2つを獲得できる。

生産アクションを打つと、1軍事点と2コイン、アクション値が「3」以上なら石材とコインの交換ができ、「5」以上なら建物のカードの数だけコインが得られる。

一族コマとアクション値について

各プレイヤー、ワーカー(一族コマ)を4つ持っているが、その内の3つは自分のカラーになっており、残りの1つは無色のコマになっている

各ラウンド、スタートプレイヤーがダイスを3つ振り、その出た目が、各ワーカーのアクション値になる。上の写真の場合、黒のワーカーは「1」、白のワーカーは「5」、オレンジのワーカーは「6」になる。

無色のワーカーは常にアクション値「0」。

このアクション値は、使用人コマを支払うことで増やすことができる。

配置に関するいくつかのルール

各色の塔、および収穫エリア、生産エリアには、同じ色のワーカーを2つ以上置くことはできない。ただし、自分のコマであっても、無色のコマであれば置くことができる。

また、塔に配置する場合、すでに他のコマ(自分のコマも含む)が置かれている場合、サプライに3コイン支払う必要がある

教会への援助

2ラウンド目、4ラウンド目、6ラウンド目終了後、プレイヤーは教会への援助を示す必要がある。

信仰トラックで、2ラウンド目は3、4ラウンド目は4、6ラウンド目は5以上の信仰がないと、その時点で破門タイルの上にキューブを置いて、次のラウンド以降、そのマイナス効果を受ける。

破門タイルはゲーム開始時にランダムに選択する。上の写真の場合、2ラウンド目では使用人コマを得る際に1つ減る、4ラウンド目では建物カードを取る時にアクション値が4減る、6ラウンド目では最終得点計算で軍事点の分だけ勝利点を失う。

信仰が足りている場合、教会に援助するかを選択できる。援助する場合、現在の信仰は0に戻るが、その分の勝利点を得る。援助せずに、信仰をそのままにする場合、破門タイルにキューブを置く。

最終得点計算

6ラウンド終わり、教会への援助を行ったら、最終得点計算を行う。

領土、人物はカードの枚数に応じて勝利点を得る。事業はカードに書かれた勝利点を得る。

軍事力は1位が5点、2位が2点、集めた資源は5つごとに1点となる。

最も勝利点が多いプレイヤーが勝利する。

指導者カード

上級ルールとして、指導者カードの使用を選択できる。

使用する場合、20枚の指導者カードをシャッフルして、ドラフトにより各プレイヤー4枚を所有する。

指導者カードは手番中いつでも、何枚でも破棄またはプレイすることができる。

破棄する場合は、即座に評議会の恩恵(資源やコインなど)を受けることができる。

プレイする場合、必要条件を満たしていれば表向きに置き、その能力を使用することができる。

例えば写真の一番左の指導者カードは、事業の発展カードを5枚持っている場合にプレイすることができ、ラウンド中に1回だけ、収穫アクションを実行することが出来る。

感想

評判通り、面白い。

なんといっても、ダイスによってアクション値が変わるルールが良い。出目が低いと必然的に塔の上の方のカードが取れなくなるが、塔に配置するカードはランダムのため、必ずしも上の方が強いというわけではない。

出目が小さい方が、実質的に打てるアクション数が減るので、バチバチ感は強まる。評議会の宮殿はあまり強いアクションではないが、プレイ順の早さがとても大事になる。

教会への援助は、他のゲームで言うところの、ワーカーへの食料供給や給料になるが、マイナス効果と自分の取っている戦略によっては思い切って捨てられるのも魅力的だ。

あるいは、捨てる前提で戦略を練るのもいいかもしれない。足りない分が即座に勝利点から削られるより、よほどいい。

ルールが比較的シンプルに感じるのは、自分がゲームをやり慣れているからかもしれないが、実際にルールは11ページしかなく、アグリコラが問題なくできるレベルの人になら、恐らく簡単に感じるだろう。

ただし、ルールが簡単なのとプレイ感が軽いのは別問題なので、戦略性に富んだ中重量級ゲームと認識して間違いない。

2021年夏現在、拡張同梱版が販売されている。ワーカープレイスメントが好きな人には、マストバイな1作!

涼夏と千紗都と『ロレンツォ・イル・マニーフィコ』

2人プレイでのプレイ記があります!

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