【レビュー】リバーボート*商品をボートで運んで富を得よう!

2022年5月20日

リバーボート

概要

19世紀初頭のミシシッピ川流域の生活をテーマにしたボードゲーム。

大雑把に書くと、畑で作物を耕し、ボートで出荷する。出荷によりお金やEstate Feature(納屋、井戸、測量士)を得て、それらを使って点数を稼ぐ。あるいは、それら自体を得点化する。

4ラウンドでゲーム終了。慣れるとプレイ人数×20分くらいで終了する、程よい中量級ゲーム。

準備

以下が準備が完了した状態。このゲームは2~4人用だが、プレイヤーボードの港トラックに配置する黄色のHarbour Masterコマの位置以外、人数による違いはない。

右上のゲームボードには、上部にボートタイルを並べ、白い労働者コマを4つ、好機カードを4枚並べる。

左上のゲームボードには、1マス、2マス、3マスの作物タイルを並べる。また、自分の色(個人ボードの家の色)の得点マーカーを、得点トラックの0に置く。

個人ボードは写真の通り、内容が異なる。自分の色のボードを受け取ったら、プレイ人数に応じて港トラックに黄色のHarbour Masterコマを置く。

また、白い労働者コマを13個、緑の測量士コマを2つ3コインを取る。

ゲームの流れ

ゲームは4ラウンド行い、各ラウンド、耕作植栽収穫・出荷好機得点のフェーズに分かれる。

それぞれに以下のようなフェーズタイルがあり、まずこれをスタートプレイヤーから順番に取ることから、ラウンドが始まる。5枚あるので、4人プレイならスタートプレイヤーは2枚になるし3人プレイなら2人目も3枚になる。

スタートプレイヤーはラウンドごとに回っていくが、3人プレイの場合、4ラウンド目は得点トラックの最後尾の人がスタートプレイヤーになり、フェーズタイルを最初に選択する。

各フェーズ、どのプレイヤーもやれることに変わりはないが、そのフェーズのフェーズタイルを持っているプレイヤーから始める。また、ボーナスも得られる。

このゲームでは、各フェーズにおいて、コインを支払うことでアクションを強化することができる。以下に詳しく説明する。

耕作フェーズ

誰かが耕作カードを山から順番に、計8枚引く。1枚引くごとに、耕作カードの色(わかりにくいのでハートや星などのマークで判断してもよい)のスペースに、持っている白い労働者コマを置く。

耕作フェーズのフェーズタイルを持っているプレイヤーは、最初に共通のゲームボードから1つ白い労働者コマを取り、好きな場所に配置できる。(最初にゲームボードに4つ置いたので、それでラウンド数がわかる)

コインを使うと、耕作カードの色を無視して、好きな場所に配置することができる。

2ラウンド目以降は、白い労働者コマが8個ない場合があるが、なければ置けない。

フェーズが終わると下の写真のようになる。

植栽フェーズ

植栽フェーズタイルを持っているプレイヤーから順に、ゲームボードから作物タイルを取って、白い労働者コマのあるスペースに配置する。労働者は配置した作物タイルの上に置く。

植栽フェーズタイルを持っているプレイヤーは、最初に1コインのボーナスが得られる。

また、各プレイヤー、コインを支払うと、ゲームボード上の作物タイルではなく、1マスまたは2マスの作物タイルを選択し、いずれかの山から好きなタイルを選ぶことができる。(それを選択したら、選ばなくてはならない)

2マスまたは3マスのタイルを選択すると、即時点数が入る。置ける作物タイルが無い場合、ゲームボードにすべての作物タイルを補充する。

フェーズが終わると下の写真のようになる。

収穫・出荷フェーズ

ゲームボードからボートタイルを順番に2枚まで取り、個人ボードの上側に左から順に差す。4ラウンド目は3枚まで取れる。

フェーズタイルのボーナスは、個人ボードの黄色のHarbour Masterを1つ進める。

通常、ボード上にある9枚を早い者勝ちで取得するが、コインを使ったら山からも取ることができる。

ボートタイルを取る際は、個人ボード上の、同じ作物の上に乗っている労働者を使用する。

例えば以下の例は、4つのカブの上にあった労働者を個人サプライに戻して4のボートタイルを取り、タイルに描かれた納屋を1つ獲得して個人ボードに配置した。

ボートタイルの数値は最終的には得点になる。また、大きい数値のボートタイルはEstate Feature(納屋、井戸、測量士)を獲得でき、やはり得点に直結する労働者をニューオーリンズに送ることができる。

従って、なるべく個人ボード上には同じ作物を置き、労働者が揃うまでそのままにしておきたい。ただ、労働者を個人サプライに戻さないと、次のラウンドの耕作フェーズで、個人ボード上に労働者を配置できなくなる。

※ニューオーリンズは、ゲームボードの好機カードを置いた場所の上にあり、プレイヤー色ごとに4つのスペースがある。

好機フェーズ

フェーズタイルを持っているプレイヤーから順に、ゲームボード上の好機カードを1枚獲得する。獲得した際、ボード上に描かれたマスのボーナスも得られる。(左から、Harbour Masterを2マス進める、緑の測量士を1つもらう、労働者を1人ニューオーリンズへ送る、1コインもらう)

フェーズタイルのボーナスは1勝利点。

コインを使うと、山から好きなカードを選んで取れる。これも作物タイル同様、それを選んだら必ず山から取らなくてはならない。(取得したカードは公開情報の上、説明書にカードのリストがあるので、山に何があるかはわかる)

好機カードは、多くのゲームで見られるような、最後まで持っていて条件に応じて点数が入るものではなく次の得点フェーズで測量士を使うことで得点化できる。

選ばれなかった好機カードは、山の一番下に戻す。

得点フェーズ

納屋、井戸、好機カードの上に測量士を置いて、得点を得る。1~3ラウンド目は2人、4ラウンド目は3人まで測量士を配置することができる。

フェーズタイルのボーナスは1コイン、またはHarbour Masterを1マス、または労働者を1人ニューオーリンズに送る。コインを使ったボーナスは無い。

例えば以下の場合、収穫した小麦ごとに1点なので、3点手に入る。(説明のために置いているが、実際には10点以上は目指したい)

測量士による得点が終わった後、すでに置いてある測量士ごとに1点、ニューオーリンズに送った労働者ごとに1点、得点トラックを進める。

ラウンド終了後(正確には次のラウンドの準備として)、作物タイルの補充、ボートタイルの補充、好機カードの補充を行う。

最終得点

4ラウンド終わった後、以下の点数を加算する。

・残ったコインごとに1点

・個人ボードのすべて埋められた農地の色ごとに7点

・未使用のEstate Feature(納屋、井戸、測量士)ごとに2点

・港の得点(Harbour Masterが最も進んでいるプレイヤーは、その場所までのボートタイルの点数をすべて、それ以外のプレイヤーは、Harbour Masterの場所までのボートタイルの点数を半分

・ニューオーリンズに送った労働者(1番多い人は20点、2番目に多い人は10点、3番目に多い人は5点)

一番点数の多い人が勝利。

感想

久しぶりに、自分の好みど真ん中のゲームに出会いました。とてつもなく面白いです。

先に書いた通り、収穫・出荷フェーズではなるべく労働者を残したいですが、手元に戻さないと耕作フェーズで置けません。また、なるべくニューオーリンズに送りたいですが、これも同様に、それに労働者を使ってしまうと、耕作フェーズで遅れを取ります。

手番順も大事になります。最初に書いた通り、プレイ人数によってゲーム内容に変化がないため、2人プレイと4人プレイでは、プレイ感がまったく違います。4人プレイの場合、ボートタイルも作物タイルも取り合いになります。よって、フェーズタイルを取ってそのフェーズを最初に行うのがとても大事になります。

測量士がないと好機カードも納屋も井戸も得点化できません。測量士を手に入れるには、主に数字の大きいボートタイルを取ることですが、Harbour Masterを進めるのは主に数字の小さいボートタイルです。Harbour Masterを進めていないと、大きい数字のボートタイルを取っても得点化されないのがまた悩ましいです。

シンプルなルールの中に、たくさんのジレンマやインタラクションがあります。伸び伸びとプレイしたければ、3人くらいがオススメです。

是非一度プレイしてみてください!

※納屋や井戸の得点方法、収穫ボーナスなど、ゲームの流れに影響しない部分はいくつか説明を割愛しています。

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