【レビュー】ファーストクラス*誰よりも豪華な列車を走らせよう!

概要
鉄道をテーマにした中重量級のボードゲーム。
各プレイヤー、手番順にディスプレイからカードを取り、そのカードをプレイする。。
個人ボードでは、上下2つある列車に客車をつなげ、車掌を先へ進めたり、車両をグレードアップすることにより得点を増やす。
あるいは、線路を延ばして機関車を進めることにより、ボーナスや得点を得ることができる。
ゲームは6ラウンドで、各ラウンドディスプレイからカードを3枚取ったら終了する。すなわち、一人18手番でゲームは終了する。
2ラウンド目、4ラウンド目、6ラウンド目の後に得点計算を行い、最後に最終得点計算を行う。
ゲームでは基本アクションカードの他に、A~Eの5つのモジュールの内の2つを組み合わせて使用する。
これにより、ゲーム性・戦略性が豊かになり、何度プレイしても飽きないシステムになっている。

モジュールとアクションカード
アクションカードはアクション1(緑)、アクション2(青)、アクション3(赤)に分かれており、第1ラウンド、第2ラウンドではアクション1のカードを、第3ラウンド、第4ラウンドではアクション2のカードを、第5ラウンド、第6ラウンドではアクション3のカードを使用する。
裏にXと書かれた基本アクションカードが各色24枚、またA~Eの各モジュールのカードも同様に、アクション1、アクション2、アクション3に分かれており、各色8枚ずつある。
1回のゲームでは、これらのモジュールから2つを選んで使用する。

基本アクションカードと選択したモジュールのアクションカードを色ごとにシャッフルする。各色40枚になる。
このレビューでは、初心者向け(=ルールがわかりやすい)とされるモジュールA(契約)とモジュールB(セレブと絵葉書)を使っている。
各モジュールの説明は、拡張であるモジュールF、モジュールGとともに、別記事で紹介する。
アクションカードのディスプレイ
ディスプレイにはプレイ人数に関わらず、各ラウンド3段×6枚の計18枚のアクションカードを並べる。

ゲームでは各プレイヤー、これらのディスプレイからカードを1枚取るか、もしくは親タイルが残っていたら親タイルを取る。
親タイルを取った場合、タイルに示されたボーナスを全員が受け取った後、ディスプレイの一番左上のカードを取り除く。
ディスプレイのカードは、各段、2人プレイなら残り4枚、3人プレイなら残り3枚、4人プレイなら残り2枚になったら、その段のカードをすべて取り除く。
こうすることで、各プレイヤー、1ラウンドで3回ずつ手番を行うことになる。
親タイルの注意事項
版によっては、ルールブックに「手番プレイヤーは、場からアクションカードのうち1枚を選んで取るか、あるいは、親タイルを他プレイヤーまたは場から受け取ることを選ぶことができます」とあるが、これはエラッタが出ており、親タイルは各ラウンド、早い者勝ちでディスプレイから一人しか取ることができない。
親タイルを取ったプレイヤーは親タイルを手元に置き、ラウンドの終了時にディスプレイに戻す。
個人ボードについて
全員、自分の色の個人ボードを受け取ったら、下の写真のように上の列車と下の列車に、0の客車カードを配置する。
また、車掌コマ2つと、機関車コマ、1コインをボード上に置く。

このゲームでは、手番順に関わらず、全員所持金は1コインからスタートする。
その代わり、終了ボーナスカードを手番の遅い人から優先的に受け取ることができる。
ゲームが進むと、ボードは下の写真のように発展していく。

終了ボーナスカード
終了ボーナスカードは裏面が茶色のカードで、以下の3種類(それぞれ2種類の得点)のカードがある。

それぞれ、客車タイプのアクションカード、機関車タイプのアクションカード、車掌タイプのアクションカードをプレイした枚数に応じて点数が入る。
終了ボーナスカードは最初に、プレイ人数+1枚のカードを、手番の遅い順に1枚選んで、次のプレイヤーに回す。
終了ボーナスカードは、場に常に4枚オープンして置き、もしプレイ中にカードを獲得した場合、その人の手番終了時に補充する。
なお、終了ボーナスカードは、終了ボーナスカードを獲得するアクションカードを取るか、もしくは手番中にいつでも4コインで獲得することができる。
客車と車掌
客車は0、1、2、4、7、12の順にグレードアップしていく。

アップグレードする際は、上の車両、下の車両ともに、必ず左から順に数字が大きくなるようにする。

上の列車、下の列車それぞれ10両まで客車を繋ぐことができるが、6両目は5両目を置いたら速やかに、持っている郵便車両の内の1枚を置き、ただちにその効果を受け取る。
また、10両目は9両目を置いたら速やかに、場の一番上にある機関車タイルを置き、ただちにその効果を受け取る。

新しい客車の連結や、すでにある客車のアップグレードは、次のようなアイコンを持つカード、あるいはコインの使用などにより行える。

偶数ラウンド終了後の得点計算時、客車の上に書かれた数字が得点になるが、車掌が到達している車両までしか得点にならない。
先程の青プレイヤーの写真場合、上の列車は4の客車までしか到達していないため、7+4+12=23点になる。
車掌は次のようなアイコンを持つカード、あるいはコインの使用などによって進めることができる。

客車を10両つなぎ、車掌を機関車タイルまで進めることができると、最初に到達した人が20点、2番目に到達した人が10点、3番目に到達した人が5点もらえる。
もちろん、列車は一人2両あるので、一人で30点取ることもできる。

線路と機関車
個人ボードの左上では、線路を延ばすことができる。
こちらも客車の車掌同様、機関車を進めることにより、効果や勝利点を得ることができる。

機関車は次のようなアイコンを持つカード、あるいはコインの使用などによって進めることができる。

線路には駅ボーナスアイコンと勝利点アイコンの2種類が描かれている。
駅ボーナスアイコンは、機関車がその駅に到達している場合、偶数ラウンド終了後の得点計算時に、その効果を得ることができる。
複数の駅ボーナスの効果を適用できる場合、その順番はプレイヤーの自由にできるが、1つの駅ボーナスをすべて受け取るまで、他の駅ボーナスを受けることはできない。
勝利点アイコンは、機関車がその駅に到達したら、速やかにその勝利点を得る。一度のみ。
コインについて
コインはボード上に、最大12個まで置くことができる。

コインを獲得した場合、必ず左の列から順に置いていく。
もし一度に複数のコインを獲得したら、すべてのコインを同時に配置しなくてはならない。
コインの使用
コインは手番中にいつでも使用することができる。得点フェイズにも使用できる。
一番左の列の1コインを使うと、0の客車を置くことができる。
2列目の1コインを使うと、機関車もしくは車掌を進めることができる。
一番右の列の1コインを使うと、任意の客車をアップグレードできる。
また、4コインで終了ボーナスカードを1枚、1コインで1勝利点獲得することができる。
ゲームの終了
6ラウンド目の得点計算が終わった後、最終得点計算を行う。
持っているコインは1コイン=1点。
また、前述の終了ボーナスカードの点数を計算して加算する。
最も勝利点の多いプレイヤーが勝利する。
感想
2021年現在、自分の最も好きなゲーム。
元々鉄道をテーマにしたゲームが好きなのだが、株券が出てきて鉄道会社を運営するタイプのゲームはあまり好きではなく、『メトロ』や『1号線で行こう』のようなタイルを配置するゲームも、好きではあるがやり込み要素は薄い。
同じデザイナーの『ロシアンレールロード』と、この『ファーストクラス』をこよなく愛しているが、モジュールによるリプレイ性の高さにより、『ファーストクラス』を広げることが多い。
このゲームには、大きく分けて「客車と車掌」と「駅と機関車」の2つの要素があるが、得点源としては客車の方がだいぶ強く感じる。
理由の一つとして、駅の勝利点アイコンは一度しか受け取れないのに対して、客車ボーナスは点数計算のたびに受け取れることがある。
また、車掌を10両目まで進めた時のボーナスが大きく、さらに終了ボーナスカードでも、車掌タイプだけ4点と3点という、高得点になっている。
駅ボーナスは客車の連結やアップグレードに有効だが、普通にアクションカードやコインで強化した方が速くて強い。
もっとも、得点計算の際に駅ボーナスを適用するのは面白いし、「駅ボーナスの数だけ2点」という駅ボーナスに、モジュールBの絵葉書カードを突き刺してすごい点数を叩き出されたこともあるので、プレイング次第では十分に強い。
色々なモジュールの組み合わせで、色々なプレイングに挑戦して欲しいゲーム。
2021年現在、比較的安定供給されている上、大箱のゲームとしては安価な部類なので、是非チャレンジしてみてください!