【レビュー】シームルグ/SIMURGH*ドラゴンを集めるワーカープレイスメント!

2022年5月11日

シームルグ

概要

人とドラゴンが共存する世界で、ドラゴンを飼育し、その能力を使って権力点を得て、最も権力点の多い一族(プレイヤー)が勝利する、ファンタジー世界を舞台にしたゲーム。

基本的には、アクションスペースにワーカーを置いて資材を集め、その資材でタイルを取ったり、目的タイルによる権力点を得るなど、オーソドックスなワーカープレイスメント。

一番の特徴は各プレイヤーがアクションタイルを荒野と呼ばれるスペースに配置することで、出来るアクションが刻々と変化していくこと。

他人の置いたタイルの上に自分のワーカーを置くこともできるし、要らないタイルを追い出すこともできる。

取り除かれたタイルの枚数に応じてゲームが終了し、それまでに獲得した権力点や、目的タイルと竜タイルの組み合わせでの得点で勝敗を競う。

コンポーネント

臣下コマ

いわゆるワーカー。臣下コマには槍兵竜騎兵の2種類があり、各プレイヤー色ごとに、槍兵が3つ、竜騎兵が2つある。初期ではそれぞれ1つずつ持っている。

これらのコマをアクションスペースに配置して、そのスペースのアクションを行うことがゲームの基本となる。

アクションスペースには、ドラゴンのマークが描かれたものがあり、これは竜騎兵しか置けない。何も描かれていないスペースには、どちらのコマも置くことができる。

なお、丸が1つだけのスペースは、臣下コマを1つだけ置くことができる。

丸が4つ描かれたスペースは、臣下コマを何個でも置くことができる。

アクションタイル

アクションタイルはマークによって、「権力」「探検」「変化」「研究」「生産」の5種類がある。

これらの内、「権力」のタイルは各プレイヤー、最初に1枚取ったら、残りはゲームから除外する。

他の4種類は、決められた枚数をランダムに箱に戻した後、各プレイヤー、「生産」「研究」「探検」タイルを1枚ずつ取ったら、シャッフルして山にする。

なお、内容は次の通り。

「権力」:権力点を得る。

「探検」:竜騎兵を配置したら、上から下へ移動して行くことで権力点を得る。

「変化」:主に肉や野菜といった資源を交換する。

「研究」:主に知恵を使った交換を行う。

「生産」:資源を獲得する。

竜タイル

ドラゴンの絵の描かれたスペースには能力マーカーが置かれ、それを取り除くことによって、そのマスの能力を使用できる。

この竜能力の仕様はフリーアクションのため、手番中にメインアクションとは別に実行できる。

竜タイルは飼育場アクションで、資源を支払うことで獲得でき、獲得した時に能力マーカーも置かれる。

ゲーム中、アクションなどにより能力マーカーを置けることがあるが、左から詰めて置く必要がある

また、斜線のあるスペースは1回限りの能力のため、再び能力マーカーを置くことはできない。

目的タイル

ゲーム終了時に、持っている竜タイルの枚数ごとに権力点が得られるタイルで、アクションにより配置する。

3枚選んで、好きな1枚を置くことができるが、全員に影響を及ぼすため、自分が有利になるタイルがなかったら置かなくてもよい。

資源

資源には、「野菜」「肉」「木材」「石材」「知恵」「武器」の6種類あり、ゲーム開始時は以下のように、「野菜」と「知恵」が2つずつ、他は1つずつ持っている。

手番について

ゲームはプレイヤーが手番を繰り返して行われる。

手番では「臣下コマをアクションスペースに置く」「臣下コマを回収する」ことができる。

「臣下コマの回収」は、すべての臣下コマを置き切る前に行ってもよい。

この他に、プレイヤーは3種類のフリーアクションを、それぞれ手番ごとに1回行うことができる。

アクションスペース

すべては紹介しないが、基本的には資源を獲得したり、変換したりする。

兵舎や猟場では、槍兵と竜騎兵を増やすことができる。

訓練場や建築士街区では、能力マーカーを獲得して、竜タイルに配置することができる。

前述の通り、左端の空いているところから埋めるように置かなくてはならない。

斥候本部では、ボード上に配置されたアクションタイルを獲得することができる。

アクションタイルは、後述のフリーアクションで荒野に配置し、その後臣下コマを置いて用いる。

フリーアクション

荒野にアクションタイルを配置する

臣下コマを置く前に行うことができ、荒野(ボード右側のスペース)に持っているアクションタイルを1枚配置する。

その後、置いたタイルのいずれかのスペースに、メインアクションとして臣下コマを置く。置けない場合は、そもそもそのタイルを配置できない。

タイルを置くスペースがない場合、武器を1つ支払って(探検タイル以外の)アクションタイルを取り除くことができる。(上に臣下コマがある場合、所有者のもとに戻る)

取り除かれたアクションタイルは、「年代記」(捨て札)に移動する。

探検タイル上を移動する

探検タイルは荒野に配置した時、竜騎兵を一番上のスペースに置く。

その後、フリーアクションとして、1手番に1歩ずつ前進させることができる。

いずれかのプレイヤーの竜騎兵が一番下のスペースに辿り着いたら、探検タイルは「年代記」に移動する。その竜騎兵はその手番のメインアクションで使うことができる。

竜能力を使用する

竜タイルから能力マーカーを取り除き、竜能力を使用する。

資源があれば、1手番中に複数の竜能力を使用することができる

荒野からのタイルの除去

前述の通り、武器を支払って除去したり、探検タイルで一番下のスペースまで行く他に、次の場合にアクションタイルは除去される。

①タイル上に臣下コマがなくなった。(メインアクションの「臣下コマの回収」で発生する)

②タイル上に臣下コマが4個ある。(探検タイル以外。2、3人プレイなら3個)

ゲームの終了

ボード上の目的タイルの枚数もしくは、「年代記」に置かれたアクションタイルの枚数に応じて、ゲームは終了する。(ゲーム開始時に、短時間ゲーム・中時間ゲーム・長時間ゲームから選ぶ)

ゲーム終了のトリガーを引いたプレイヤーから、そのプレイヤーの手前のプレイヤーまで1手番ずつ行う。

それまでに獲得した権力点に、各目的タイルの点数と、資源を3つごとに1点加えて勝者を決める。(同点の場合は能力マーカーの数)

感想

なんと言っても、雰囲気が抜群に良い。アートワークが綺麗。

テーマは珍しいが、プレイ感としてはよくあるタイプのワーカープレイスメント。

探検タイルを進んでいくのが面白い。

荒野からアクションタイルが取り除かれるタイミングで、ものすごく強いインタラクションがある。

目的タイルは重要な割に、運要素が強く感じた。得点に大きく左右するので、結果として、ゲーム全体が運要素強めの印象を受けてしまう。わざわざ竜騎兵を使って、タイルを置かずに戻すということも、普通に起きる。

あとは、でかい。物理的に重い。

タイルをカードにして、ボードももう少し小さくできただろうが、それだと味気ないだろうなぁ。

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