【レビュー】メイドマフィアK*紅茶を集めてマフィアの頂点へ!

2021年5月28日

メイドマフィアK

概要

紅茶の禁止された世界で、メイド服に身を包んだマフィアたちが、紅茶を求めてコウベの街を走り回る。

警察からの手を逃れ、他のメイドたちを出し抜き、時には戦いながら、紅茶を集めてマフィアの頂点を目指す。

ポップなイラストに加えて、同人の大箱にしては安価なゲームだが、説明書の最初のページに書かれたコンポーネントの数は実に33個

かつて自分のプレイした400に及ぶゲームの中で、最もルールの難しいゲームだったが、とても面白かったのでじっくりレビューしたい。

ゲームの前提と勝利条件

ルールを理解する上で、まず、各プレイヤーが担当するメイドは、全員「コウベシンジケート」という同じマフィア組織に属していることを念頭に置きたい。

ゲームの途中で、他のメイドに対決を挑むと、組織の敵マーカーをもらうというルールがある。これは、全員同じ組織に属しているので、対決を仕掛けた者は組織の敵になる。また、王冠を1つ失う。

逆に、組織の敵を倒したプレイヤーは王冠を1つ受け取る。組織の敵マーカーは場に戻す。全員が同じ組織に属している前提を把握していると、このルールはしっくり来る。

また、全員の共通の敵として警察がいる。警察コマがコウベの街を巡回しており、条件に応じて警察トラックが進んでいく。警察トラックが一番最後の「組織壊滅」まで進むと、全員敗北する。

プレイヤーはその間に勝利点を25点稼ぐか、もしくは組織経験値トラックを進めて3回目の決算を迎える。その時に最も勝利点が多いプレイヤーが勝利する。

ゲームの準備

説明書2ページに渡って準備が書いてあるが、すべてのコンポーネントに番号が振ってあり、その前のページの内容物と対応している。

サボらず、飛ばさず、自己判断せず、1つずつ説明書に従って並べていくのが一番早くて確実である。

何点か、ミスしやすい点を列挙する。

・紅茶トークンを配置する「倉庫」は、「それぞれ」と書かれている通り、2ヶ所ある。「倉庫」には5個ずつ、「倉庫」に挟まれた「コウベ港」には8個の紅茶トークンを置いて表向きにする。同様に、「ウラ喫茶」もボード上に3ヶ所あり、赤丸のついた売却スペースは計4つある。

・ゴロツキ子分トークンは14個あり、配置するマップ上のマスも14個ある。ただし、すべて置いた後、各プレイヤー、初期配置カードに書かれた場所のゴロツキ子分トークンを取り除いて、自分の子分コマを配置する。これも同じ名称のスペースが複数あるので、カードに書かれた位置をよく確かめる。

・メイドカードは各自1枚選んだら、対応するメイド勝利カードも受け取る。メイドコマはマップ上の「市街地」に配置する。メイドの勝利条件はメイドカードに書かれており、達成するとメイド勝利カードを表にして、左上に書かれたマークの数だけ勝利点を得る。文章はフレーバーだが、説明書の「メイド紹介」と合わせて、このゲームをやる上で大事にしたい。

すべて置き終わるとこんな感じになる。1回プレイしたことのある自分が並べても、30分ほどかかったので、初回プレイの際は、持ち主は事前に練習しておくといいかもしれない。

あとは、広いスペースが必要。下のマットは1辺が50センチなので、広さの参考にしてほしい。

警察のこと

前述の通り、警察トラックが「組織壊滅」に到達すると、全プレイヤー敗北になる。

警察に関するルールは以下の通り。

・ラウンドの開始時にマップ上を移動する。スタートプレイヤーが対決カードを1枚引いて、その数分だけ進む。矢印が2本ある場合は、対決カードの背景色と同じ方向に進む。

・ゴロツキ子分トークンの中には、警察コマのマークが描かれているものがあり、子分との対決によりトークンを獲得した場合、警察コマを進める。(忘れやすいルール) ※この場合も、対決カードを1枚引いてその数分だけ進める。矢印が分かれている場合の扱いも同様。(公式に確認)

・警察コマが市街地を通過するたびに、対決カードを1枚引いて、その数だけ警察トラックを進める。(プレイ中、警察コマが後ろに戻ることがあるが、その場合は市街地より前には戻らない)

・メイドは「市街地」以外は、警察コマのあるマスに止まることも、通過することもできない。また、警察コマの移動その他の理由で、メイドコマと警察コマが同じマスに移動したら、メイドは即座に警察署カードの上に移動する。

・警察署に連行されたメイドは、組織レベル分のコインと移動力1を支払うことで市街地に戻すことがきでる。

組織レベルについて

・組織経験値トラックは、誰かが王冠トラックを進めたら、それに合わせて進む。(マスに応じて処理があるが、プレイヤーが好きな順番で選んでよい)

・入港マスに達したら、「倉庫」と「コウベ港」に紅茶トークンを上限まで補充する。

・決算に達したら決算を行う。「街道マスに最も子分を配置している」「建物マスに最も子分を配置している」「紅茶トラックが最も進んでいる」「王冠トラックが最も進んでいる」これらの各プレイヤーが1勝利点ずつ獲得する。その後、組織レベルを1進め、組織経験値トラックを0に戻す。

・組織レベルが2になると、他のプレイヤーへの対決が可能になる。組織レベルが3になると、マップ上に「街の危機」が登場する。組織レベルが3で、組織経験値トラックが決算に達するとゲーム終了。最も勝利点トラックが進んでいるプレイヤーが勝利する。

ラウンドと手番

ラウンド開始時、「警察の移動」「街の危機の移動」を行う。

プレイヤーの手番は、「最低コインの獲得」「各メイドの行動」「全プレイヤーが手札補充」順に行う。

各メイドの行動は、一人ずつ「移動」「対決」「アクション」順に行う。

ラウンド終了時、「本部」にメイドを置いているプレイヤーにスタートプレイヤーマーカーを移動する。

移動について

・個人ボードの移動力の分だけ、メイドを矢印の方向に関係なく移動できる。

・警察コマのあるマスへの移動、通過はできない。

・移動力1を消費してそのマスに留まり、「対決」「アクション」に進むことができる。

・自分の子分のいるマスは、移動力を消費せずに移動できる。

対決について

すべて説明すると長くなるので、簡単に概要を記す。

・同じマスにいるゴロツキ子分他プレイヤーの子分他プレイヤーのメイド街の危機と対決できる。他プレイヤーの子分と他プレイヤーのメイドとの対決は、組織レベルが2以上で行える。

・他のメイドと対決する場合、どちらも組織の敵マーカーを持っていなければ、対決を開始するプレイヤーは組織の敵マーカーを受け取り、王冠トラックを1つ減らす。逆に、組織の敵を倒した場合、王冠を1つ進める。

・挑まれたプレイヤーは「逃げる」こともできるが、これは「対決色の変更」同様、相手より対決カードを多く出さないと逃げられない

・対プレイヤーの場合、メイドに勝つと2点、子分に勝つと1点もらえるが、相手の個人ボードにある勝利点の分まで。要するに、弱い相手を永遠にタコ殴りしてゲームに勝てるということはない。

アクションについて

市街地:メイドの雇用ができる。最大3人になるまで雇用できる。

ウラ喫茶店:紅茶の売却と紅茶給仕ができる。そもそもマフィアは、金持ちに依頼されて、彼らに給仕するために紅茶を集めているというのがこのゲームの前提なので(だからメイド)、紅茶の給仕によってこのゲームの一番の目玉である「大茶会」が行われるが、重要ではないので割愛する。

港/倉庫:紅茶の購入ができる。購入した紅茶は、アクションを行ったメイドカードの上に置く。そのプレイヤーの持つメイド全員で共有するわけではないので、売却の際も注意する。

隠れ家:個人ボードを強化するか、10ポンドで勝利点を1獲得できる。

本部:決算強化トークンを獲得できる。これは決算の際のマジョリティーを有利にする。

工場:アイテムカードを購入できる。所持上限に注意する。アイテムカードは対決の際、効果を発揮する以外に、対決値としても使える

行動指針

上記で大体のルールを説明した。「大茶会」と「街の危機」、「イベントカード」、「部門カード」については、全体の流れとしてそこまで重要ではないので割愛した。

やれることが多いが、一番の目的は勝利点を25点にすることである。勝利点の主な稼ぎ方は以下の通り。

メイドの勝利カード:これを達成するためには、そもそもメイドを雇用しなくてはいけない。メイドを雇用するためには、お金が必要になる。お金は紅茶の売買で稼ぐ。

他プレイヤーとの対決:組織レベルが2になったら、遠慮なく相手に対決を挑もう。勝つためには個人ボードの上限を開放し、アイテムカードを集めることである。そのためにはお金が必要なので、紅茶の売買で稼ぐ。

決算:決算で勝利点を得るには、各マジョリティーが必要になるが、そもそも決算を迎えるには、王冠を集めなくてはならない。これは、ゴロツキ子分を倒したり、給仕トラックを進めることで得られる。

大茶会:勝利点と王冠トラックが進められる。

隠れ家:10ポンドで1勝利点得られる。ひたすらお金に特化したプレイも、もしかしたらありかもしれない。

まずはメイドの雇用、そのために紅茶の売買でお金を稼ぐ。あるいは、ゴロツキ子分を倒してお金と王冠を得るのを指針に動くのが良いと思われる。

感想

とても面白い。アイテムの効果やメイドの能力が大味な割には、バランスよく仕上がっている。

警察コマの動きが速く、引くカードによってはあっさりと全員敗北もあるので、スピーディーな行動が要求される。

プレイヤーとの対決によって得られる勝利点に上限があるのも良い。ひたすら攻撃され続けて負けるという、最悪の展開がルール上回避されている。メイド個人の目標も上限があり、色々な手段で勝利点を集める必要がある。逆に言えば、トータルとしてやることが全員似てしまう可能性はある。

とにかく重たく、ルールがボリューミーで難しい。このコンポーネントと内容で、税抜5,200円は破格だと思うので、多くの人に手に取って欲しいが、ある程度内容を把握した上で購入するのが良いだろう。

自分はパッケージ買いして、ルールブックで挫折しそうになったが、頑張って読んだ先にはとても楽しいゲームが待っているので、是非頑張ってください!

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