【レビュー】ハートオブクラウン*姫を擁立して戴冠しよう!
概要
コンポーネントはカードだけで、プリンセスカードやコモンカードなど、種類がいくつかある。
全員同じデッキでスタートし、手札をプレイして場(マーケット)からカードを買い、デッキに加える。
そうしてデッキを強くしていき、途中で強力な力を持つ姫君を擁立。
誰かが継承点が20点になったら「戴冠式」を宣言して、そのラウンドでゲームが終了する。もしそのラウンド中に他にも「戴冠式」を宣言できたプレイヤーがいたら、そのプレイヤーだけで延長戦を行う。
2011年に発売されたゲームだが、つい昨日、2022年1月27日、第二版が発売された。
ここでは改めて初版の内容を振り返ろうと思う。
※第二版のレビューはこちらから。
カードの種類
プリンセスカード
全6種類。各1枚ずつで、すべて6金で擁立(購入)することができる。
各プレイヤー、早い者勝ちで1枚だけ擁立する。
プリンセスカードを擁立することで自分の直轄地ができ、そこに継承点を持つカードを並べていく。
つまり、姫君は必ず擁立しなくてはならない。
コモンカード
全30種類、各5枚ずつある。
領地、行動、攻撃、継承権など、カードごとにタイプがあるが、いずれも左上のコストで購入してデッキに加え、手札からプレイしてカードの効果を使う。
ベーシックカード
「農村」「都市」「大都市」「見習い侍女」「宮廷侍女」「議員」「公爵」「呪い」の全8種類。枚数はカードごとに異なる。
「農村」「都市」「大都市」は領地のカードのため、コモンカードと同じようにプレイするが、「見習い侍女」「宮廷侍女」「議員」「公爵」は継承権のカードで、自分の直轄地にプレイする。また、継承点を持っており、20点に達すると、ゲーム終了の合図となる「戴冠式」を宣言できる。
レアカード
「帝都カリクマ」と「皇帝の冠」の2種類、各1枚。
これらはコモンカードと合わせてランダムマーケットに並べられ、それぞれ11金と13金という高コストでデッキに加えることができる。
「帝都カリクマ」は領地カードでもあるため、コモンカードと同じように手札からプレイできる。また、継承権カードでもあるため、直轄地にプレイすることもできる。
「皇帝の冠」は「議員」や「公爵」同様、継承権のカードのため、直轄地にプレイする。
ゲームの準備
初期デッキ
各プレイヤー、「農村」7枚と「見習い侍女」3枚を初期デッキとする。
これらのカードをシャッフルして自分の山札にしたら、5枚引いて手札とする。
以降、ターンが終わったら使ったカードと手札をすべて捨て札にして、山札から5枚引く。
カードを引くタイミングで山札がない場合、捨て札をシャッフルして山札を作る。
※第二版では「果樹園」というカードが登場し、2番手プレイヤーは「農村」1枚を「果樹園」1枚に、3番手プレイヤーは「農村」2枚を「果樹園」2枚に、3番手プレイヤーは「農村」3枚を「果樹園」3枚にすることで、先手有利というゲーム性を解消している。
マーケット
30種類のコモンカードから10種類を選んで、レアカードを加えた計52枚のカードをシャッフルして、サプライ(山札)にする。
選択する10種類のカードは任意だが、ルールブックに10種類の推奨カードセットが書かれている。以下は初めてのプレイに最適なファーストプレイセット。
これらを8枚引いてランダムマーケットを作る。同じカードが出たら重ねて、8種類になるまで引く。
他に、「都市」「大都市」「宮廷侍女」「議員」「公爵」のベーシックマーケットを作り、プリンセスカード置き場と呪いカード置き場を作る。
写真の右下の空間は「国外」で、追放したカードを置くスペース。
デッキを強くするには、強いカードを購入するだけでなく、弱いカードを追放する必要もある。
※第二版ではベーシックマーケットに「農村」も置く。(16枚)
メインフェイズ
手札からカードを1枚選んでプレイする。プレイしたカードに連結可能なシンボルがある場合、続けて手札からカードをプレイすることができる。
上の場合、まず「早馬」をプレイしてカードを1枚引き、「交易船」をプレイして2金にした。
「早馬」の右側に連結シンボルがあるため、「都市開発」をプレイして、手札にあった「農村」を追放し、「都市」を手札に加えた。
さらにその「都市」をプレイし、これで連結シンボルがなくなったため、これ以上カードをプレイできない。
カードのキープとリコール
もしすでに姫君を擁立し、直轄地を持っている場合、カードのキープとリコールができる。
キープは、直轄地の領地カードの上に、そのコスト以下の行動カードを1枚置く。
リコールは逆に、キープしてあるカードを手札に戻す。
メインフェイズ中、何度でもキープとリコールを行うことができる。
※第二版では、メインフェイズではカードのリコールだけ行い、カードのキープはクリンナップフェイズで行うよう、ルールが変更された。
セカンドフェイズ
以下の3つの内の1つを行うことができる。
マーケットからカードを購入する
メインフェイズで得たコインを使い、マーケットからカードを購入する。支払える限り、何枚でも購入できる。
購入したカードは自分の捨て札に加える。
手札の継承権カードを直轄地にセットする
すでに姫君を擁立し、直轄地がある場合、自分の手札から継承権カードを、何枚でも直轄地にセットできる。
姫君を擁立する
6金支払うことで、まだプリンセス置き場に残っている姫君を擁立することができる。
擁立した際、メインフェイズで使用した領地カードの内、コストが高い方から3枚を直轄地に移動する。
例えばメインフェイズで以下のようにカードをプレイした。
そうすると、「大都市」「都市」「農村」が直轄地にセットされる。
「農村」は継承点が-2点のため、出来るだけ「農村」を使わないか、使っても「農村」が直轄地にセットされないようにしたい。(セットできるなら必ずしなくてはならない)
クリンナップフェイズ
使用したカードと手札をすべて捨て札にし、山札から5枚引いて手札にする。
最後に、ランダムマーケットが8種類になるように、カードを補充する。サプライがなくなった場合は、そのままゲームを続行する。
ゲームの終了
直轄地にある継承点の合計が20点以上になったら、プレイヤーは「戴冠式」を宣言できる。
その後、ターンが一巡して、他に「戴冠式」を宣言したプレイヤーがいなければ、宣言したプレイヤーが勝利する。
もし一巡する間に、継承点が20点を下回ったら、そのままゲームを続行する。
延長戦
一巡する間に、他のプレイヤーが「戴冠式」を宣言したら、「戴冠式」を宣言したプレイヤーだけで延長戦を行う。
先に直轄地に30点以上の継承点を集めたプレイヤーが、即座に勝利する。
感想
面白いし好きだけれど、まったく勝てないゲームの一つ。
元々カードゲーム畑の人間ではないからか、こういうカードの効果を上手く組み合わせて戦うゲームが得意ではない。
後は、準備が大変。ゲームが終わった後、コモンカードを分けるのが大変なのと、プレイ中にシャッフルする回数が多いのも大変。
総じて、デジタルでやるべきゲームなのかもしれないが、やはりカードの質感とか、目の前の相手との交流とか、ボードゲームはアナログでやりたいところ。
最初、よくわからなかったが、1、2回やると流れがわかってくる。膨大な数のコモンカードの組み合わせと、6種類の個性的な姫君のおかげで、リプレイ性にも富んでいる。
イラストやテーマに抵抗がなければ、是非プレイしてみて欲しいゲームです!