【レビュー】コインブラ*人物カードを集めて町で一番の長に!
概要
4ラウンドにわたって評議会議員、商人、聖職者、学者のカードを集め、影響力を高めることでコインブラで一番の長となることを目指す。
人物の獲得にはお金や護衛が必要で、人物を集めることでまた護衛やお金が手に入る。
人物はダイスの選択によって獲得するが、大きい目のダイスを選ぶと優先的に人物を選べる分、コストも多くかかるようになる。
また、ダイスの色は収入フェイズで獲得できる影響力の種類にも影響を与える。
時は大航海時代。航海への投資も勝利には欠かせない。
ダイスの選択がすべての鍵を握る中重量級ゲーム。
プレイヤーボード
プレイヤーボードでは、楯のマークの「護衛」とコインを管理する。初期はともに7。
下にはダイスホルダーがあり、写真のようにダイスをはめるホルダーを3つ置いておく。
右側と下部には、獲得した人物カードを並べる。
後はゲームの流れと得点計算について記されているだけで、ゲームには直接は使用しない。
人物カード
人物カードには灰色の評議会議員、オレンジ色の商人、紫の聖職者、緑の学者の4種類があり、それぞれ裏面が「I」「II」「III」の3種類ある。
「I」のカードは初期人物カードで、第1ラウンドの前、ゲームの準備において使用する。
「II」はラウンド1~2、「III」はラウンド3~4で使用する。それぞれシャッフルして、下が「III」、上が「II」になるように山にする。
獲得コスト
カード左上に盾のマークとコインのマークが描かれている。
このカードを得るのに必要なコストの種類を表している。
必要な数は、カードを獲得するために置いたダイスの出目になる。
影響力
獲得コストの下には、鍵、コイン、十字架、本のマークと、数字が書かれている。
数字の数だけ、メインボードの影響力を上昇させる。
特許状
影響力の下に、小さなマークがあるが、これは特許状で、たくさんの種類を集めると最後に得点になる。
カラフルなワイルド特許状は、任意の特許状アイコンになる。
効果
下部には効果が書かれている。
雷マークは即時効果を表し、主に、護衛やコインの獲得、巡礼者の移動といった効果がある。
!マークはゲーム終了ボーナスで、影響力や人物カードに応じた得点が得られる。
Eと書かれたカードは、フェイズE「影響力収入の獲得」で使用できる効果で、影響力を上げたり、収入を増やしたりする。
初期人物カードにはCと書かれたカードがあるが、これはフェイズC「ダイスの回収」で使用できる効果で、カードの獲得コストを下げたり、カードを獲得するとボーナスが得られるなど、強い効果になっている。
航海カード
航海カードは15枚の内、ランダムに6枚選んでボードゲーム上に並べる。
航海カードはゲーム終了時に得点になる。
例えば、「Iの修道院に置いてあるディスク×2点」、「11枚目以降の人物カード×3点」など。
フェイズF「航海への投資」において、ボード上のアイコンのコストを、カードに書かれた数字の分だけ支払うことで、自分のディスクを置き、このカードの勝利点を得られる。
恩恵タイル
恩恵タイルは4枚で、ボードの都市スペース:城(最上段)の横に置く。(ルールブックには「横一列に」と書かれているが、スペースの関係で2段にしてある。順番に意味はない)
恩恵タイルはフェイズC「ダイスの回収」で獲得し、効果を即座に発揮する。獲得にコストはかからない。
恩恵タイルにはフェイズD「新たな手番順の決定」で使用する王冠マークが描かれているものもある。
王冠が3つ描かれた恩恵タイルは、即時ボーナスとして航海への投資が行える。この時もコストを2下げられる。
王冠が2つ描かれた恩恵タイルは、ダイスの出目を3増やせるキャップが獲得できる。ただし、カード獲得に必要なコストも3増える。
人物カードを並べる
ボードの都市上層部(上から2段目)、都市中層部(上から3段目)、都市下層部(上から4段目)の左側に、カードを4枚ずつ、計12枚並べる。
その後、各種類の王冠トークンを、右上から下→左の順に辿って、初めてその種類のカードが出てきたところに置く。
出て来なかった種類の王冠トークンは、このラウンドでは使わない。王冠はフェイズD「新たな手番順の決定」で使用する。
ラウンドの進行
ゲームは4ラウンドにわたって行い、各ラウンドは以下の7つのフェイズに分かれる。
フェイズA「ダイスロール」
フェイズB「ダイスの選択と配置」
フェイズC「ダイスの回収」
フェイズD「新たな手番順の決定」
フェイズE「影響力収入の獲得」
フェイズF「航海への投資」
フェイズA「ダイスロール」
スタートプレイヤーがダイスを振る。(個数はプレイ人数によって異なる)
フェイズB「ダイスの選択と配置」
スタートプレイヤーから順にダイスを1つずつ取り、ダイスホルダーに乗せて、ボードの都市スペースに置く。
この時、最上段の城は昇順に、それ以外の都市スペースは降順になるように並べる。同じ出目の場合は、先に置いた方が左側になる。
なお、置けるダイスに上限はなく、同じプレイヤーが複数置くこともできる。
フェイズC「ダイスの回収」
城→都市上層部→都市中層部→都市下層部の順にダイスを処理する。
また、ダイスは左から処理し、恩恵タイルもしくは人物カードを獲得する。
人物カードはカード左上のアイコンのコストを、出目の数だけ支払わなくてはならない。
もし恩恵タイルや人物カードが残っていないか、支払いが出来ない場合、困窮アクションとして護衛2とコイン2を獲得できる。(両方得られる。「または」ではない)
フェイズD「新たな手番順の決定」
持っている王冠の数に従って、新たな手番順を決定する。
王冠は王冠トークン、恩恵タイル、そして元々の手番順スペースにある。
同数の場合、元の順番と逆になるようにする。
フェイズE「影響力収入の獲得」
新たな手番順に従い、選んだダイスの色の影響力収入を1つずつ得る。
フェイズF「航海への投資」
まだディスクを置いていない航海カード1枚に投資する。
詳細は「航海カード」の項で書いた通り。
巡礼者の移動
プレイ中、巡礼者の移動アイコンに従って自分の色の巡礼者を移動させ、修道院タイルから利益が得られる。
移動または通過した修道院にディスクを置いて、その利益が得られる。
ゲーム中、最初の一歩は必ず行わなければならないが、それ以降は歩数を余らせてもよい。
他のプレイヤーは妨げにならない。他の人が寄った修道院の利益も得られるし、同じマスに止まることもできる。
来た道を戻ることもできるが、1つの修道院から得られる利益は1回だけである。
最終得点計算
4ラウンドの後、以下の得点を加算する。
・航海への投資
・影響力トラックの順位
・特許状のセット
・人物カードの終了ボーナス
・護衛、コイン、王冠の得点:すべて足して2で割った点数(端数切り捨て)
すべてを加算し、もし同点の場合は手番順が最も早いプレイヤーが勝利する。
感想
4人でプレイしたが、想像よりは長くかからなかった。ルール自体は難しくないのと、言うて4ラウンドで終わるので、そこまで長時間になることはない。
もっとも、ダイスを置くフェイズも取るフェイズも、前のプレイヤーの行動が終わるまで考え始められないから(状況がかなり変わる)、長考しがちな人がいたら長引くかもしれない。そういう要素は多い。
ロレンツォと同じ作者だが、4種類のカードや、ダイス自体はランダムだが、振った後は運要素がないところは似ている。そして面白い。
巡礼者をほぼ無視した自分と、巡礼者プレイをしたプレイヤーの得点が僅差だったから、勝ち筋も多そう。
ルール自体は難しくないので、重ゲーの登竜門に良いかもしれない。