【レビュー】ラ・グランハ*村で一番の農園を作ろう!

2022年5月13日

ラ・グランハ

概要

農場を経営する中重量級ゲーム。

様々な効果を持つ農場カードを獲得し、収入フェイズで自分の農場を強化した後、輸送フェイズで商品を出荷する。

特徴的なのは、1枚の農場カードがボードの上下左右、差す場所によって効果が変わること。

収入フェイズは他のプレイヤーとダイス(選択肢)の取り合いになり、輸送フェイズでは市場で他のプレイヤーとの強さによる争いが行われる。

丁度今日、『ラ・グランハDX版』の日本語版発売の発表があったので、懐かしみながら少し振り返りたいと思う。

ルール

ゲームは6ラウンド行い、最終的にVP(勝利点)が一番多いプレイヤーが勝利する。同点の場合はシルバーの数。

VPは主に次の2つの方法で獲得する

・共通ボード上の組合会館に商品を届ける。

・自分のボード上の荷車に商品を配達する。

各ラウンドは『1.農場フェイズ』『2.収入フェイズ』『3.輸送フェイズ』『4.得点フェイズ』で構成されている。

1.農場フェイズ

農場カードの使用/獲得

手札の農場カードから、1枚(第1ラウンドは2枚)使用できる。(初期手札は4枚)

農場カードは以下のように、畑(左)、荷車(上)、労働者(中央)、増築施設(右)で構成されている。

これを個人のボードに差していくと、ボードがこのように強化されていく。

なお、荷車や労働者として配置する際、すでにスペースが埋まっていたら、すでにある荷車や労働者を捨てて配置する。

増築施設として配置する場合は、任意の異なる農場アイテム(シルバーや収穫物、豚やVPなど)を支払わなくてはならない。

その後、手札上限までカードを引く。もし上限をオーバーしていたら捨てる。

手札上限は最初は3枚だが、増築施設や労働者の効果で増える。

直接収入

自分のボード上の、手のマークの描かれたスペースから農場アイテムを獲得する。

最初は何も置かれていないが、組合マーカーを置くことで獲得できるようになる。

畑の生育と豚の繁殖

ボード左側の畑スペースに空きがあれば、そこにマーカーを置く。

また、豚が2頭以上いて、空きスペースがあれば1頭追加する。

屋根タイルの獲得

共通ボードから、プレイ順に屋根タイルを購入できる。(第1ラウンドは逆順)

なお、屋根タイルはプレイ人数枚置かれている。

購入した屋根タイルは、自分のボードに配置する。配置した際、VPマークが描かれていたら、そのVPを獲得する

屋根タイルはゲーム中、一度だけ使うことが出来る。使ったら裏返す。

また、ゲームは6ラウンドだが、屋根タイルは5枚までしか購入できない。

2.収入フェイズ

収入ダイスを受け取る

プレイ人数×2+1個のダイスを振って、対応するスペースに置いた後、プレイ順に1つずつ取って自分のボードに置く。対応する収入アクションを行う。

ダイスは計2つ獲得する。全員がダイスを2つ獲得すると、最後に1つ残る。最後に残った1つは、全員がその収入アクションを行う。(計3回の収入アクションを行う)

収入アクションの内容は以下の通り。

1:豚を獲得

2:カードか収穫物を獲得

3:収穫物2個獲得(異なる種類)

4:4シルバー獲得

5:加工とシエスタ表のディスク前進

6:配達もしくは2シルバー獲得

3.輸送フェイズ

ロバマーカーの選択

全員持っている4枚のロバマーカーの内、1枚を選んで裏向きにボード上に配置する。

次のラウンドでは、前のラウンドで選択したロバマーカーは選択できない。

3ラウンド終わったら回収し、4~6ラウンド目は1~3ラウンド目と同じようにする。

シエスタ表の更新

選んだロバマーカーの帽子の数だけシエスタ表のディスクを進める。

シエスタ表に従って、すぐにプレイ順を更新する。

下の写真の場合、青→黄色→赤→緑の順になる。

配達の実行

新しいプレイ順で、ロバマーカーのロバの数だけ配達を行う。

配達とは、農場アイテムや交易品を組合会館や荷車に移動させることをいう。

■組合会館への配達

各組合会館のリストの商品をすべて配達し終えたら、配達完了のマーカーを置いて、組合マーカーを受け取る。最初の一人は1VP受け取る。(写真の場合青プレイヤー)

また、現在のラウンドに等しいVPを獲得する。←忘れがちなルール

自分が配達を終えた組合会館や建設中の組合会館(写真右側)には配達できない。

建設中マーカーは最初1~3の3枚置かれているが、他の組合会館の納品が完了するごとに開かれていく。それを引き起こしたプレイヤーは1VP獲得する

■荷車への配達

荷車への配達が完了すると、荷車下段に書かれた数字と同じVPを獲得する。←忘れがちなルール

また、交易品を獲得する。(マーカーを1つ、ボードの交易品のスペースに移動させる)

荷車に使った農場カードは捨て札にする。

その後、数字に対応する市場スペースにマーカーを配置する。

この時、隣接する他のプレイヤーの、より小さい数字のマーカーを取り除く。取り除いたマーカーの数だけVPがもらえる

写真の場合、例えば緑が赤の下の「4」のスペースに置くと、赤のマーカーは赤のプレイヤーに返され、緑のプレイヤーは1VP獲得する。

もし該当する数字のスペースが空いていない場合、他プレイヤーのマーカーを取り除いて、代わりに自分のマーカーを配置する。

追加配達

最後に、プレイ順に従って追加配達を行うことができる。

追加配達は、ボード上に描かれた追加配達のマークの回数だけ、1回1シルバーで行うことができる。

4.得点フェイズ

市場スペースに置かれた、自分のマーカー1つにつき1VP獲得

また、シエスタ表のディスクの位置に従ってVPを獲得

その後、シエスタ表のディスクを0に戻し、屋根タイルを更新して、次のラウンドを始める。

ゲームの終了

貯蔵庫にある原材料と、交易品配置場所にある交易品をシルバーに換金する。加工品と畑にある収穫物は換金できない。

その後、5シルバーごとに1VPを獲得する

最もVPが多い人が勝利する。同点の場合はシルバーが多いプレイヤーが勝利する。

感想

かなり重たいゲーム。プレイ時間も3人で2時間以上かかる。

流れはシンプルだが、細かいルールが多い。特に上でも書いたが、組合会館への納品時のVPや、市場スペースでのVPを入れ忘れる。

もし25個のマーカーを使い切ったら、ボード上のいずれかのマーカーを回収して使うことができるとか、組合マーカーは毎ラウンド使えるが、屋根タイルは一度しか使えないなど、覚えることが多い。

  *  *  *

また、数回やったら自分も含む仲間内で、「スタートプレイヤーが弱い気がする」という意見が出た。

まず、1ラウンド目の屋根の購入はプレイ順の逆順で行うため、スタートプレイヤーは最後になる。4人プレイなら恐らくシエスタが残るだろう。ここでまず差がつく。

さらに、最初の市場スペースの配置で、スタートプレイヤーは一番弱い「2」のマスに配置する。これは、他のプレイヤーの配達で簡単に取り除かれてしまう。

収入ダイスはもちろん恩恵があるが、むしろそれしかない。ダイスはどれが出るかわからない上、そもそも強い出目に匹敵するアクションを、他のプレイヤーは屋根タイルで行っている。

  *  *  *

このゲーム、市場スペースのルール上、配達は後手番の方が有利である。

先手が有利になるのは組合会館の納品完了が同じラウンドになった場合、早い者勝ちの1VPが取れるくらいで、それよりも荷車の配達で市場のマーカーが取り除かれるデメリットの方が遥かに大きい。

これが、最初の屋根タイルで、シエスタが残ると言った理由でもある。1VPにはなるが、先手を取ってしまうことで失うものの方が大きい。

  *  *  *

VPを得るための戦略のバランスは良く感じる。

カードは、豚の繁殖が1頭で行えるようになるなどの強カードも中にはあるが、禁止にしたくなるほどではない。

戦略性は豊かで、農場カードを4種類の使い方ができるのは面白い。重たさもあってプレイ回数がまだ少ないので、何度もプレイしてもう少し追求したいゲームである。

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