【レビュー】K2*誰よりも高く登れ!

K2

概要

K2は世界で2番目に高い山。各プレイヤー、2人の登山家コマを持ち、K2の山頂に挑む登山ゲーム。

登った高さに応じて点が入り、18日間でどこまで登ったか、2人の登山家の点数を足して合計を競う。

必ずしも地上まで降りてくる必要はなく、山頂でゲーム終了を迎えても構わない。

ただ、上に行けば行くほど生存していることすら難しくなる。

もし18日の間に命を落としたら、その登山家の点数はどこまで登っていたとしても1点になってしまう。

18日間生存し、時には他プレイヤーの登山家の邪魔をしながら、より高みを目指そう。

各プレイヤーの準備

各プレイヤー、自分の色のコマとプレイヤーボード、18枚のプレイヤーカードを受け取る。

登山家コマ:2種類の登山家コマがそれぞれ2個ずつ、計4個ある。1セットはゲームボードのスタート地点に、もう1セットはその右側のスコアトラックの上に置く。

登山家コマがゲームボード上を進むたびに、スコアトラック上でも、同じ形の登山家コマが進み、得点が入る。

もし登山家コマが引き返しても、スコアトラックはそのままになるが(つまり、最高到達点を記録する)、登山家コマが死んでしまうと、ゲームボード上の登山家コマは取り除かれ、スコアトラックのコマは一番下に戻される。

プレイヤーボード:各登山家コマの順応度(体力のようなもの)を管理し、初期値はどちらも1。ラウンド中に7を超えることがあるが、後述の順応チェックの後は、6まで戻される。

もし順応度が0になると、その登山家は死んでしまう。

プレイヤーカード:緑の数字と青の数字があるが、緑の数字は上り下りに使用する移動ポイント。青の数字は順応度を上げる。

複数枚のカードを足して一人の登山家に使うことはできるが、1枚のカードの数値を複数の登山家に振り分けることはできない

テント:登山家の形に応じて、2個のテントコマがある。ゲームボード上で、対応する登山家のいるスペースにテントを張ることができる。

テントは移動することができない。1つのスペースに複数のテントがあってもよい。

テントは自分の形のテントしか張れないが、入るのは同じ色のテントであれば入ることができる。(説明書を読む限り、1つのテントに2人の登山家が入ることもできる模様

天候タイル

『K2』には天候という概念があり、18日間、毎日天気が変わり、天気と登山家のいる高さに応じて影響がある。

天候タイルには、比較的容易な「夏」と、シビアな「冬」の2種類があり、ゲームではどちらかを6枚使用する。

天候タイルは、赤の数字は該当の高さのスペースにいると、それだけ分、順応度が低下する

黄色の数字は該当の高さのスペースの移動コストが、数字の分だけ余計にかかる。(冬にしか登場しない)

天候タイルは常に2枚オープンになっており、1日ごとにマーカーが右に移動する。

4日目になると、新たなタイルがオープンになり、再び6日間の天気がわかるようになる。

この天候を見ながら、どのタイミングで山頂アタックを目指すか、あるいはどの高さにとどまるかの計画を立てる。

ゲームボード

ゲームボードも表は比較的容易なマップに、裏はシビアなマップになっている。

すなわち、天候タイルとゲームボードの組み合わせで、4通りの難易度が楽しめる。

移動コスト:黄色の文字があるスペースに入る場合、その数字だけの移動力が必要になる。黄色の文字がない場合は1。

テントを張る場合も、この移動コストが必要になる。すなわち、表面で山頂の手前のスペースから山頂に移動し、さらにテントを張ろうと思うと、移動ポイントが6必要になる。

環境:赤の数字は、順応チェックの際に受けるダメージで、それだけ分、順応度が低下する。

青の数字は逆に、それだけ分、順応度が上昇する。マップの下の方はすべて青の数字が書かれているので、まずここで順応度を高めてからアタックしたい。

高さと人数:マップは6000メートル以下、6000メートルから7000メートル、7000メートルから8000メートル、8000メートル以上の4つの高さに分かれており、それぞれプレイ人数に応じて、スペースにとどまれる登山家コマの数が決まっている。(通過は大丈夫)

また、高さに応じて得点が入る。スコアトラックの登山家コマを移動させるが、1日の間により高いエリアに行って戻ってきても、スコアトラックの登山家は連動して動く。

リスクトークン

0、1、2のチップで、ゲーム中、常に3枚表になっている。

各ラウンド、プレイヤーは6枚の手札から3枚を選んで使用するが、全員が一斉にオープンし、単独でもっとも移動ポイントが大きいプレイヤーは、リスクトークンを1枚取らなければならない。(0のチップがあればラッキーである)

取ったリスクトークンは移動カードからポイントを引くか、順応カードからポイントを引くか、もしくは登山家の順応度を下げる。「2」のリスクトークンはポイントを分けることができる。

忘れがちなルールだが、順応度を下げる場合は、そのラウンドで移動か順応を行った登山家にしか適用できない。例えばカードは3枚とも一人の登山家の山頂アタックに使い、リスクトークンは下界で休んでいる登山家の順応度を下げるように使うことはできない。

ゲームの流れ

ゲームは18ラウンド(18日間)で、各ラウンド5つのフェイズがある。

フェイズ3以外は全プレイヤーが同時に行う。

1.カードの選択

6枚の手札から3枚を選ぶ。(ラウンドによっては元々3枚しかないので、その3枚を使う)

2.リスクトークン

選んだカードの移動ポイントが単独で最も大きいプレイヤーは、リスクトークンを取る。

複数いれば取らなくてよい。1枚取ったら、1枚表にする。

3.アクション

スタートプレイヤーから順に、登山家の移動や順応度の適用、テントの設営を行う。

4.順応チェック

スペースの赤い数字、青い数字、また天候に応じて順応度を上下させる。テントがあれば順応度が1上がる。

フェイズの終わりに順応度が7以上あれば6に戻す。

フェイズの終わりに順応度が0になったら、その登山家は死亡し、登山家コマをゲームから除外する。スコアトラックの登山家は1のスペースに戻す。

5.ターンの終わり

スタートプレイヤーマーカーを左隣に渡し、天候を進める。

手札かなくなったらシャッフルして山札を作り直す。

ゲームの終わり

18ラウンドの後、2人の登山家の合計点数が最も高いプレイヤーが勝利する。

同点の場合は、先に山頂に到達していたプレイヤーが勝利する

感想

初めてプレイした時、衝撃を受けたゲーム。

かつて、これほどテーマに没頭したゲームはなかったし、500以上のゲームをプレイしてきたが、やはりこれ以上にテーマに没頭するゲームはやったことがない。

理由の一つが、死ぬからである。しかも、死んだら基本的にはもう勝ちはない。

死なないためには危険を冒さないことだが、アタックしなければ得点が入らず、やはり勝てない。

山頂を目指すには、天気の良いタイミングを狙いたいが、考えていることはみんな同じである。

ここに、手番順も重要になってくる。

一気に攻めようと移動ポイントを多くすると、リスクトークンを受け取る必要が出てくる。0からなくなっていくので、運が悪いと2のリスクトークンしか場にないこともある。

テントを張る位置も大事だ。山頂は基本的に一人しか入れないため山頂にテントを張って籠もるという戦法もある。

カードももちろん重要である。絶対に順応度を上げなければいけないタイミングで、移動カードしか来ないということも起こり得る。これは運もあるが、カウンティング要素も大事だ。

様々な状況を考慮して、慎重に、時には大胆に山に登る。インタラクション強めのゲーマーズゲーム。

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