【レビュー】カヴェルナ:洞窟の農夫たち(主にアグリコラとの比較)
概要
『アグリコラ』や『オーディンの祝祭』と同じデザイナー、ウヴェ・ローゼンベルク作のワーカープレイスメント。
ワーカーをアクションに置き、そのアクションの内容に応じて個人ボードを拡張したり、資源を獲得したり、畑に種を撒いたり、ワーカーを増やしたりする。
テーマとしては、ドワーフとなって洞窟を掘り、居住空間や農場を発展させていくが、探索要素を除き、基本的なシステムは『アグリコラ』と同じになる。
『アグリコラ』のルールは別ページで詳しくレビューしているため、ここでは主に『アグリコラ』との比較をしたい。
アグリコラとの比較
『カヴェルナ』は『アグリコラ』より後に作られたこともあり、基本的には様々な部分が改善されている。
まず、累積スペース。『アグリコラ』では、木材が3本、6本、9本と増えていったが、『カヴェルナ』では、最初に3本置かれた後は、1本ずつしか増えない。
動物や野菜の得点計算が単純に個数になり、上限もなくなった。これにより特化プレイが出来るようになった。これは『アグリコラ:ファミリーバージョン』的で、個人的には好ましい。
多くのアクションで複数の要素がある。例えば小麦の獲得など、『アグリコラ』では小麦を1つ獲得して終わりだったが、『カヴェルナ』では食料の累積+小麦の獲得+森へのタイルの配置になっている。これは『アルルの丘』的で、発展にスピード感が生まれている。
食料供給が易しくなった。ルビーで様々なものに変換できるので、物乞いマーカーをもらうことはなくなった。もっとも、それと得点が伸びるかは別問題だが、何かに追われるようなプレイ感はなくなった。
動物を置く柵は、1マスや2マス固定になった。まず森を開拓して(草原ボードを置いて)、その後さらにその上に柵の描かれたボードを置くようになった。
カードがなくなった。これは調整ではなく、ここでゲーム性に変化をつけたのだと思う。ここまでに書いた部分は『アグリコラ』より『カヴェルナ』の方が好みだが、この点に関しては「どっちにも良さがある」と感じた。
個人ボードと部屋
個人ボードは左側が森で、ここは開拓して草原や畑にして、動物を飼ったり、小麦や野菜を育てる。
右側は洞窟で、まず通路を繋げたり居住スペースを作った上で、その上にさらに鉱石やルビーの鉱床、ドワーフの住むリビングや部屋を作る。
この部屋の種類がとても多く、『アグリコラ』はカードで、『カヴェルナ』は部屋の種類で戦略性を高めていると感じた。
探索
『アグリコラ』には類似の要素のない、まったくの『カヴェルナ』オリジナル要素に、探索がある。
まず鉄鉱石を使って武装する。1つ使えば武力1になり、8個使えば武力8になる。
その後探索を行い、武力に応じたアクションを打ったり、資源や動物が獲得できる。
その後、武力が1つ上がり、次に探索する時はより多くのことが出来るようになる。
探索で個人ボードにタイルを置いたりもできるため、武力が上がると終盤は1アクションで一気2~3アクション分の発展させることができるようになる。
感想
とんでもなく面白い。『アグリコラ』は所有していて、とても好きなゲームではあるが、それとは別に『カヴェルナ』も欲しくなった。
ただ、箱がでかい。1~7人までプレイできるせいで、コンポーネントがモリモリである。
有名タイトルである『アグリコラ』と比較してきたが、ゲームのシステムとしては『アルルの丘』に近い。
そして、少人数でゲームをする機会が多い上、『アルルの丘』を所有しているので、『アルルの丘』でいい気はする。
その『アルルの丘』も『アグリコラ』も、どちらも1年以上プレイしていない。
置き場とやる機会さえあれば……。それでも買う方向で気持ちが傾く面白さだった。