【レビュー】サバイブ!(アイランド)*沈みゆく島から脱出せよ!
概要
少しずつ沈み、陸地が失われていく島から、冒険者たちがボートを使って脱出する。
大きなゲームボードの上に厚さの違う3種類の島タイルを並べ、その上に冒険者コマを置いたら、プレイヤー順に冒険者やボートを動かして、島から安全な陸地への脱出を図る。
島は毎ラウンド減っていき、海には海竜やサメなどの危険な生き物が棲息している。
最後に火山が噴火したらゲームが終了。脱出した冒険者の得点が多い人が勝利する。
コマについて
コマは、冒険者コマ、海竜コマ、サメコマ、クジラコマ、ボートの5種類がある。
冒険者コマ:プレイヤー色ごとに10個。裏に点数が書いてあり、1、1、1、2、2、3、3、4、5、6になっている。最初に冒険者コマを配置した後は、この点数は確認できない。最後に安全な陸に逃げ延びた冒険者コマの点数を合計して勝敗が決まる。
海竜コマ:最初から海に5体いて、ダイスによって1マスずつ移動する。もし海上の冒険者や、冒険の乗ったボートが同じマスに入ると、その冒険者とボートをゲームから取り除く。冒険者の乗っていないボートは取り除かない。
サメコマ:陸地タイルの減少によって出現し、ダイスによって1~2マスずつ移動する。 もし海上の冒険者と同じマスに入ると、その冒険者をゲームから取り除く。 ボートには影響はない。2マス移動できるが、1マス目に冒険者がいたら、そこで止まる。
クジラコマ: 陸地タイルの減少によって出現し、ダイスによって1~3マスずつ移動する。 もし冒険者の乗ったボートが同じマスに入ると、そのボートだけをゲームから取り除く。 冒険者は海の上に残る。移動中に冒険者の乗ったボートがあったらそこで止まる。冒険者の乗っていないボートには影響しない。
ボート:一度に3人の冒険者が乗ることができる。一番多く乗っている冒険者のプレイヤーがボートを動かすことができる。同数の場合はその全員が動かすことができる。
陸地タイルについて
陸地タイルは計40枚。厚さの違いで3種類(平地、森林、山岳)あり、緑枠のタイルと赤枠のタイルがある。
緑枠のタイル
陸地を取り除いた時、即座に効果を適用する。
サメ、クジラ、ボートのイラストは、即座のそのマスに対応するコマを置く。
渦巻きのタイルは、冒険者はもちろん、空のボートや海竜も含めて、すべてのコマを取り除く。効果はそのタイルのあったマスだけではなく、隣接する海マスにも及ぶ。
火山タイルがめくられると、ゲームが即座に終了する。
赤枠のタイル
手札にして、自分のターンに1枚プレイできる。×が書いてあるものは、他のプレイヤーのターンに使用する。
×の書かれていない海竜、サメ、クジラのタイルは、対応するコマを1つ、他に何も置かれていない海マスに移動できる。
ボートとイルカのタイルは、それぞれ海上のボートと海上の冒険者を3マスまで移動できる。
×の書かれているサメとクジラのタイルは、自分の冒険者や自分の支配しているボートに影響が出る瞬間にプレイし、それぞれサメとクジラのコマをゲームから除外できる。
ゲームの準備
海竜コマをボード上の指定の位置に5つ置いた後、陸地タイルをランダムに配置する。配置する範囲は黒い太枠で描かれている。
各プレイヤーは順番に冒険者コマを配置したら、ボードを2個ずつ好きな場所に置く。
ルール
各プレイヤーは順番に以下を行う。
①陸地タイルを1枚プレイする。×の書かれていない赤枠のタイルを持っていたら、それをプレイできる。
②冒険コマやボートを移動させる。合計3マスまで、冒険者や支配しているボートを移動できる。
③陸地タイルを取り除く。薄いタイルから順に1枚取り除き、緑枠のタイルなら即座にプレイする。赤枠のタイルなら手札として持つ。タイルの上に冒険者がいた場合、海の上に落ちる。
④怪物ダイスを振って怪物を移動させる。ダイス目に従い、海竜、サメ、クジラコマを移動させる。
その他のルール
●1つのマスに複数の冒険者コマが入ることができる。また、怪物同士も同じマスに入ることができる。ボートは1マスに1つまでしか入れない。
●一度ボートや海に移動した冒険者は、再び島に戻ることはできない。
●海を泳いでいる冒険者は、1手番に1マスしか移動できない。よって、隣のマスにあるボートに乗ることはできない。同じマスにあるボートには乗れる。
●何も乗っていないボートを移動させることができる。
●ボートや海から安全な陸への移動も、1移動力かかる。
●平地を取り除く際、森林や山岳に完全に囲まれた平地があったら、他のすべての平地が取り除かれた後に取り除く。森林も同様。
ゲームの終了
火山タイルがめくられた時点で即座にゲームを終了する。
安全な陸地まで逃げ延びた冒険者の得点を合計し、一番多い人が勝利する。
感想
傑作ボードゲームの一つ。
まずテーマとゲーム性がとてもよく合っていて、プレイしていて本当に島から脱出しているハラハラ感がある。これだけの臨場感を味わえるゲームは、『K2』とこの『サバイブ』くらいではなかろうか。
容赦なく冒険者のいる島タイルを取り除いたり、ボートに海竜をぶつけたり、潰し合いの面白さもある。
しかし、キングメーカーになるほどでもなく、あくまでタイル運、ダイス運によって怪獣が出現したり移動できたりして、現実的に一番近くて確実な冒険者を狙っていく感じになるので、殺伐とした空気にはならないだろう。
最後、山岳タイルだけになった時、いつ火山が噴火するのか、その緊張感も味わい深い。
家族もライトユーザーもヘビーユーザーも楽しめる一作。ただし、運要素が強いのは間違いないので、戦略ゲームが好きな人には向かないかもしれない。