【コラム】自作ボードゲーム『千紗都と過ごす1週間』

2021年8月10日

千紗都と過ごす1週間

前回のあらすじ

『キタコミ!』という学園モノの百合小説があって、そこに登場する4人の女の子の、非対称のゲームを作ろうと考えた。

そして、トランプを使った『千紗都と過ごす2週間』というゲームを考えたのだが、これが全然面白くなかった。

https://minarinbg.com/makegame1/

そこで今回は、ダイスを使ったまったく別のゲームを考案した。

前回同様、ファッショングルメ旅行スポーツの4つの要素があり、涼夏、絢音、奈都は一番愛情ポイントを集めた人が勝利し、一定以上集められなかったら千紗都が勝利する。

涼夏
涼夏

今度こそ面白いゲームを作るぞ!

ラウンドとスタートプレイヤー

ゲームは7日間(7ラウンド)に渡って行われる。任意の方法でスタートプレイヤーを決めたら、ラウンドごとに順番にスタートプレイヤーが変わっていく。

7日目はその時点で愛情ポイントが一番少ない人がスタートプレイヤーになる。同点の場合は、1日目の手番がより後だった人がスタートプレイヤーになる。

内容物

アクションシートファッショングルメ旅行スポーツの4つのスペースがあり、毎ラウンド、千紗都は振ったダイスをそれぞれのスペースに置く。

プラスマイナスカード:千紗都が使った場合、ダイス目を1下げられる。1より小さくはできない。使ったら、その時点で一番その要素のポイントの低いプレイヤー(同点の場合はそのラウンドの手番の早いプレイヤー)に渡す。プレイヤーが使った場合、ダイス目を1上げられる。6を7にも出来る。使ったら千紗都に渡す。

貢献マーカー:各要素、最初に10ポイントに到達した人が受け取り、愛情ポイント2ポイント分になる。

個人シート:涼夏、絢音、奈都は1枚ずつ受け取り、体力、愛情ポイント、各要素のポイントを管理する。体力の初期値はMiddle

ゲームの進行

ダイスロール

千紗都はダイスを4つ振り、アクションシートの上に置く。もしプラスマイナスカードを使ったら、ダイスの出目を1つ減らした後、そのカードを、その要素のポイントが一番低いプレイヤーに渡す。(1日目はまだ誰も所有していない。1日に複数枚使える)

ダイス選択

スタートプレイヤーから順番に、残っているダイスを1つ選ぶ。もしくはパスができる。

ダイスを選んだら、個人シートのその要素のポイントを、ダイス目の数だけ上げる。もしプラスマイナスカードを所有していて、それを使う場合、ダイス目を+1した上で、プラスマイナスカードは千紗都に渡す。

ゲーム中、そのアクションを最初に選んだ場合は、そのアクションのプラスマイナスカードを場から受け取る。

選ぶアクションによって、以下の制約と効果がある。

グルメ:体力がFullになる。

旅行:体力が1減る。Emptyの場合は選択できない。もしファッション>旅行の場合、ダイス目を1プラスする。(オシャレして旅行するのは楽しい)

スポーツ:体力が1減る。Emptyの場合は選択できない。

パスをすると、好きな要素のポイントを1つ上げることができる。プラスマイナスカードは使えない。他の人がすでに選んだアクションでも可能。グルメを選んでも体力は回復しないが、旅行やスポーツを選んでも体力は減らない。また、Emptyでも選択できる。

各要素、一番最初に10ポイントに達したら、貢献マーカーを受け取る。

愛情ポイントの計算と勝者

愛情ポイントの計算は最後に行ってもよいが、7ラウンド目はその時点で一番愛情ポイントが少ない人がスタートプレイヤーになる。

計算方法は以下の通り。

各要素5ポイントごとに1ポイント

各要素1セットにつき1ポイント

貢献マーカー1枚につき2ポイント

愛情ポイントが一番多いプレイヤーが勝利する。同点の場合は貢献マーカーの多いプレイヤーが勝利する。それも同じ場合は、各要素のポイントの合計が多い方が勝利する。それも同じだったら、勝者で千紗都を分かち合う。

ただし、ファッショングルメ旅行スポーツのいずれか1つでも、誰も10ポイントに達していない場合、すなわち、貢献マーカーが1枚でも残っている場合、千紗都を満足させられず、仲良しエンドで千紗都の勝利となる

ゲームのポイント

基本的には、ダイス運に大きく左右されるゲームです。例えばすべての出目が1なら、涼夏、絢音、奈都に勝ち目はありません。仲良し4人が、ワイワイとダイス運を楽しむパーティーゲームです。

プラスマイナスカードの受け渡しが、そのポイントが一番低い人に対して行われるのは、千紗都にとってはその方が都合がいいからです。全員が均等になり、何かが10ポイントに到達しないことが、千紗都の勝利条件です。

千紗都

私は、なるべくみんなが均等になるようにダイスを置けばいいんだね。

プレイ

実際にプレイした様子。

1日目

千紗都のダイスロールは「5」「5」「5」「1」。千紗都の仲良しエンドには厳しい出目である。

スタートプレイヤーの涼夏がスポーツの「5」を取って、スポーツ+5、愛情ポイント+1、スポーツのプラスマイナスカードを獲得。体力がEmptyに。

同じように、絢音がファッションの5、奈都が旅行の5を獲得する。

2日目

千紗都のダイスロールは「5」「5」「1」「1」。3人中2人が体力がEmptyなので、旅行とスポーツに「5」を置く。

スタートプレイヤーの絢音は旅行を取る。ファッション>旅行なので、旅行を6進め、愛情ポイント+1。

奈都は敢えてグルメの「1」を取って、体力を回復させつつ、グルメのプラスマイナスカードを取得。

涼夏は体力不足でスポーツが打てないので、ファッションの「1」を選択した。

3日目

千紗都のダイスロールの写真は割愛。「4」「2」「1」「1」という、仲良しエンドに近付くロールだった。

スタートプレイヤーの奈都は、2日目に体力を回復したので、旅行の「4」を選択。プラスマイナスカードを使って「5」にし、旅行を10まで伸ばして貢献トークンを得る。愛情ポイントが4に。

涼夏は引き続きスポーツが打てないので、止むを得ずグルメの「1」を取って体力回復。足踏み。

絢音はファッションの「2」を取り、ファッション>旅行の状態を作る。

4日目

千紗都のダイスロールは「6」「4」「3」「2」と高かったので、プラスマイナスカードを使って下げる。ファッションのカードは0の奈都に、旅行のカードは0の涼夏にそれぞれ渡す。

スタートプレイヤーの涼夏から順に、各自取得。このラウンドで、涼夏はスポーツのプラスマイナスカードを使い、「4」を「5」にして貢献トークンを獲得。

そろそろグルメをなんとかしないと、仲良しエンドで終わる気配が漂う。3番手の奈都は、旅行の「5」を残してファッションの「3」を選択。セットのポイントを狙う。

5日目

千紗都のダイスロールの写真は割愛。「6」「5」「5」「4」と、仲良しエンドの遠ざかる出目だった。

これを機に、スタートプレイヤーの絢音がファッションの貢献トークンを得て、奈都はグルメを一気に伸ばす。

涼夏は旅行を選択して、0から6に。3人の中で初めて、セットの愛情ポイントを1獲得する。

6日目

千紗都のダイスロールは「6」「4」「3」「2」。グルメを「1」にして、誰もグルメが到達しない仲良しエンドを狙う。

スタートプレイヤーは奈都だが、仲良しエンドを回避するには、グルメの「1」を取るしかない。千紗都のことが好きなので、涼夏と絢音に勝たせるくらいなら、仲良しエンドでもいいかという思いもよぎるが、グルメの「1」を取って7から8に。

その間に涼夏と絢音は愛情ポイントを7まで伸ばす。最終日は、愛情ポイントが5しかない奈都からになる。

最終日

千紗都のダイスロール。奈都のグルメが8なので、1つでも「1」が出れば仲良しエンドだったが、「3」「3」「2」「2」という出目だった。

奈都は引き続き仲良しエンドでもいいのではないかと思ったりしたが、グルメの「2」を取って、無事にグルメの貢献トークンを獲得。愛情ポイントを3伸ばして8に。

ところが、涼夏は愛情ポイントを伸ばせず7のまま。絢音も愛情ポイントを1しか伸ばせず、8で奈都と同点に。同点の場合は貢献トークンの多い方が勝つので、奈都の勝ちになった。

涼夏
涼夏

初日スタピで負けた…。2日目のファッションが痛かったな。

まとめ

それなりに楽しめるゲームの形になった。前回とは雲泥の差である。

もちろん、ダイスゲーではあるが、そこはある程度狙い通り。ただ、今振り返ると、最終日の出目は、グルメの「2」以外がすべて「6」だったとしても、涼夏と絢音は負けていた。そう考えると、それまでの組み立て方も大事になると思われる。

問題は千紗都だ。結局、一番小さい出目をグルメに置いて、他もある程度考えはしたが、終盤はキングメイカーにさえなる動きしか出来ない。しかしまあ、ダイスを振るのが楽しい

3人で協力しながら最後は出し抜く、コンセプトにマッチしたゲームにはなったが、まだまだ改良の余地はありそうだ。

『キタコミ!』のファンの人は是非やってみてください。一応シートを置いておきますが、体力以外は減らないので、適当な紙に「正」の字を書いてプレイしても大丈夫です!

千紗都
千紗都

ダイスさえあれば出来るから、みんなもやってみてね!

【追記】実際に人間とプレイしてみた

4人集まる機会があったので、プレイに付き合ってもらった。→こちらから

やはり懸念していた通り、「千紗都が体力を必要とする旅行かスポーツに、延々と一番小さいダイスを置き続けたら、3人が勝利するのは難しい」という結論に至った。

また、千紗都のプレイングがどうしてもそうなってしまい、あまり考える余地がない。

3人のバランスは悪くないと感じたが、非対称のゲームとしてはまだまだ改良の余地がありそうだ。

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