【レビュー】デューン 砂の惑星:インペリウム
概要
同名の映画を元にした中量級のボードゲーム。
デッキ構築要素とワーカープレイスメント、そして毎ラウンド紛争があり、マジョリティー争いにより勝利点や資源のボーナスが得られる。
自分は映画はまったく知らなかったが、とても楽しめた。
映画の公式サイトを見ると、宇宙帝国の皇帝、アトレイデス家、自由の民フレメン、宿敵ハルコンネン家という4つの陣営があるようだ。
それに該当するのかはわからないが、ゲームでも「皇帝」「宇宙協会」「ベネ・ゲセリット修道女会」「フレーメン」の4つの勢力があり、それぞれ対応するアクションを打つことで同盟レベルが上がっていき、勝利点が獲得できる。
10ラウンド行うか、その間にいずれかのプレイヤーが10勝利点に達したらそのラウンドで終了する。
ルール
まず各プレイヤー、能力の異なるプレイヤーカードを受け取る。
ゲームは10ラウンド行うか、いずれかのプレイヤーが10勝利点に達するまで行われる。
1ラウンドは「ラウンド開始」→「公家の手番」→「紛争」→「メイカー」→「回収」の順に行われる。
ラウンド開始
対応する紛争カードをめくり、そのラウンドの紛争で得られる内容が決まる。主な勝利点源になる。
また、自分のデッキからカードを5枚引いて手札にする。
公家の手番
スタートプレイヤーから順に、カードをプレイしてワーカーを配置する。
どのアクションにワーカーを置けるかは、カード上にアイコンで示されている。
アクションによって、資源を増やしたり、概要で書いた同盟を伸ばしたり、紛争地帯へ自分のコマを送るなどできる。また、自分の山札からカードを引くこともできる。
置けるワーカーがないか、置きたくない場合、すべての手札を公開して、カードの購入が出来る。購入したカードは捨て札に置き、次に山札がなくなったタイミングで山札に加えられる。
また、紛争の兵力を決定する。アクションによって送ったキューブの個数×2+公開したカードに書かれた武器のアイコン×1。
全員の手番が終わったら紛争の解決を行う。
紛争
兵力の多いプレイヤーから3位まで報酬が得られるが、その前に陰謀カードにより兵力を追加するなどできる。
同点の場合は下の順位のものが得られる。
メイカー
該当するアクションにスパイスを補充する。
回収
ワーカーと、紛争に使ったキューブを回収する。
感想
間違いなく中量級のゲームだが、複雑なルールはなく、一つ一つの要素は珍しいものではないため、とっつきやすい。
例えば、ドミニオンをプレイしたことがあればカードの扱いに関してはすんなり理解できるし、アグリコラをはじめとするワーカープレイスメントをプレイしたことがあれば、アクションマスにワーカーを置いてプレイする部分も難しくない。同盟のマジョリティーについても、カタンの最長交易路と同じである。
よって、ある程度、色々な種類のボードゲームをプレイしたことがある人であれば、すんなり入れるゲームである。
面白いポイントの1つとして、カードの使い道が2種類あることがある。アクションに使ったカードは、最後のカードの購入や紛争の兵力に使えないため、どちらに使うか、ジレンマがある。時には、ワーカーを残してカードの購入に使うことも大事になる。
各ラウンド、スタートプレイヤーから順にアクションを打てるので、一見スタートプレイヤーが有利に見えるが、紛争の兵力も先に決まるため、後のプレイヤーの方が兵力の調整がしやすい。ここのバランスがとても良い。
デッキは少しずつ強くなっていき、もちろん圧縮要素もある。ゲームは急速に加速するので、仕掛けるタイミングを見誤ると振り落とされる。
総じて良いゲーム。映画を知っているともっと楽しめるのかはわからないが、映画をまったく知らない人にもオススメ。